高良健吾が語る、自由な生き方とこだわり 「ライフスタイルを作るってクリエイティブ」

Rolling Stone Japan vol.11掲載/Coffee & Cigarettes 22 | 高良健吾(Photo = Mitsuru Nishimura)

音楽、文芸、映画。長年にわたって芸術の分野で表現し続ける者たち。本業も趣味も自分流のスタイルで楽しむ、そんな彼らの「大人のこだわり」にフォーカスしたRolling Stone Japanの連載。日本映画界を代表する俳優の一人、高良健吾。ロックやヒップホップも聴く彼は「どのアーティストも、自分たちの言葉や生き方に責任を持っているところが好き」と語る。そんな彼の自由な生き方とこだわりに迫った。

Coffee & Cigarettes 22 | 高良健吾

※本記事は、Rolling Stone Japan vol.11(2020年6月25日発売号)に掲載された記事です。

「もしスカウトされていなかったら、自分は地元から出ていなかったと思います」

まるで彫刻のように整った精悍な顔立ちが、一瞬ふっと和らいだ。熊本県出身の俳優、高良健吾。19歳で上京し、2006年に映画『ハリヨの夏』で銀幕デビュー。以降も映画『白夜行』や『横道世之介』『シン・ゴジラ』など多数の作品に出演し、今や日本映画界を代表する俳優として確固たる地位を築き上げた彼は、今も地元の九州に並々ならぬ思いがある。インタビュー前のフォトセッションでも、カメラマンが同じ熊本出身と分かるや否や、身を乗り出して地元トークで盛り上がっていた。

「九州、大好きですね。ちょっと『南国』っぽいというか、異国感があると思うんですよ。未だに上下関係が厳しいし、『男はこうじゃないとカッコわるい』みたいな美学を、男女とも持っている。それに見合わない男はモテないんですよね(笑)。『九州男児』という言葉が今も残っているのかは分からないけど、『男はこうあるべき』と女性が思っている土地って素敵じゃないですか。カッコつけるのってすごく難しいことだし、それを求められていることで、いい緊張感が保てていると思うんですよね」

昨今、インターネットやSNSを中心にフェミニズムをめぐる議論が活発化するなか、地元愛や男らしさについて、清々しいほど堂々と語る姿勢はかえって新鮮だった。もちろん、高良のいう「男らしさ」とは、所謂「マッチョイズム」とは全く違うもの。一つの物事に、ただひたすらストイックに取り組む「職人的な姿勢」というべきか。それを貫く人やモノに、彼は惹かれるという。
「死ぬまで真面目を貫くってすごいことだと思う。一つのことに打ち込んでいる人は、男でも女でも輝いていますしね。それは、僕が好きなファッション・ブランドもそう。カッコいい服を作っている人は、やっぱりカッコいいしこだわりを持っている。『こだわり』は自分の支えになると思うんですよ。それが人を喜ばせたり、人のためになっていたりするのであれば最高ですしね」

Photo = Mitsuru Nishimura

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