米俳優の虐待問題、「つい手が出てしまう」と語った根深い病根

Photo Illustration by Rolling Stone; Image in Illustration: Vianney Le Caer/Invision/AP Images

米俳優のシャイア・ラブーフが、元恋人のFKAツイッグスから身体的・精神的・性的虐待で訴えられた。ラブーフの暴力疑惑はこれが初めてではない。訴状でも指摘されているように、彼は長年にわたり泥酔や暴力行為で何度も逮捕されている。

ツイッグス(本名タリーア・バーネット)は2018年の映画『ハニーボーイ』の撮影現場でラブーフと知り合った。ニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで彼女は、34歳の俳優ラブーフから出所不明の性感染症をわざと自分にうつして、身体的にも精神的にも「容赦なく」虐待し、何度となく殴られたと語った。彼女は裁判資料の中で、彼が家に武器を保管していること、2019年のバレンタインデーに首を絞められたこと、彼女を無理やり車に押し付けて首を絞められかけたことを主張している。また、アザができるほど力づくで腕をねじられたことも何度かあったそうだ。1日に何回まで彼に触れたりキスしたりできるか、着衣のまま寝るかどうかなども決められていたという。

「きっと誰も信じてくれない、と思い込んでいたの」。ラブーフの行動を警察に通報しなかったことに関して、バーネットはニューヨーク・タイムズ紙にこう語った。「私は型破りな人間だし、有色人種で女性だから」。最終的に彼女は2019年、セラピストの助けを借りて彼の元を去ったが、そのせいでラブーフは彼女を「激しくつかみ」、部屋に閉じ込めたという。

訴状には、2010~2011年にラブーフが交際していたスタイリスト、カロリン・フォーさんの虐待容疑も記されている。それによれば、ラブーフは「嫉妬深く、衝動的かつ理不尽な性格に駆り立てられ」、身体的・精神的虐待を引き起こしたとある。ある時には泥酔したラブーフが嘔吐して気を失った後、眠っているフォーさんの上にまたがって「彼女の両腕を押さえつけ、激痛を与え、複数のアザを残した後、激しく彼女に頭突きした。そのため彼女はホテルのベッドで血を流した」。訴状は最後に、フォーさんとバーネットが「これ以上女性たちがラブーフの虐待に耐えなくてもいいように」団結して立ち上がったと締めくくっている。

ほぼ同時に、ミュージシャンのシーアもバーネットの援護に名乗り出て、ニューヨーク・タイムズ紙の記事のリンクとともにこうツイートした。「私もシャイアから精神的に傷つけられたわ。あの病的な嘘つきは、独身だと偽って私を不倫関係に巻き込んだ。彼は重病よ。彼や被害者の方々に心から同情します。いいこと、自分を大事に思うなら――安全を第一にして、距離を置いて」

Translated by Akiko Kato

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