森高千里が語る、等身大の「歌手」として表現したいこと

コンサートでは衣装を大切にしている

―衣装に関してはいかがですか?

基本的には地味にならないように(笑)、私に似合う形で作らせていただきました。あと、1年という長さなので、場所によっては前半と後半で衣装を変えたりして、来ていただいた方にも楽しんでいただけたのかなと思います。

―2017年、森高さんは90年代前半に行ったツアーのセットリストを再現した3本のライブを行いました。僕はその中で「ROCK ALIVE」と「ザ・森高」の再現ライブを拝見したんですけど、当時の雰囲気を生かした衣装でとてもうれしかったことを覚えています。それと同時に、森高さんの衣装に対する強いこだわりを感じました。

ステージで自分を表現するという意味では、コンサートの半分以上は衣装を大切にしているかもしれないですね。もちろん、曲があっての衣装ですけど、衣装はステージに登場してすぐ、曲を聴くよりも前に目に入ってくるものですし、私はこれまでも衣装やインパクトについてすごく考えてきたところがあるので、衣装を楽しみに待っていてくださる方にガッカリしてほしくないんです。「ああ、今回は地味なんだ……」というよりは、「ああ、“ぽい感じ”で出てきてくれた!」って喜んでもらえたほうがいいと思ってます。

―コンサートに来る人の期待に100%応えていきたいと。

100%応えられてるかどうかはわからないですけど(笑)、それに近いぐらいいい形でできたらいいなと思ってますね。

―今年は激動の一年でしたが、森高さんにとってはどういう年でしたか?

本当だったら去年と今年でツアーを回って全国制覇するつもりでしたし、できるものだと思っていましたけどそれができなくなってしまって、どういう形で皆さんに楽しんでもらえるのかなと考えていたんですけど、今年前半は自粛期間ということもあって、歯がゆかったですね。

―自粛期間中にハマったものはありますか?

自粛中は家にいたので、普段できないような大掃除をしてました(笑)。あと、普段は子供たちが家にいることが少ないので、家族4人で食卓を囲むことができて、そこでいろんなことを話せましたし、子供たちが考えていることを知ることができました。他愛もない昔の話をして、「ああ、そういえばそんなこともあったなあ」と思い出したり、日常的にできていなかったことができたのはよかったかなと思ってます。

―7月には初のオンラインライブ『配信デビュー! 初! ファンが選ぶ森高ソング ベスト10!! ~森高千里歌唱にてドキドキの発表!~』を開催しました。オンラインライブという新しい形でのライブはいかがでしたか?

お客さんがいない中で歌うという形でしたので、ある意味、リハーサルの延長みたいな感じですよね。なので、やる前は「どうなのかな?」という気持ちが正直あったんですけど、この時は皆さんが選んでくださったベスト10を紹介していくという形式だったので、1曲1曲「こういう気持ちで伝えたい」という思いでやっていけばいいのかなと。会場も以前ライブを行ったことがある場所だったので、「ああ、前はこういう感じでお客さんがいたな」とか、「こういう感じで盛り上がってくれてたな」という記憶が蘇り、徐々にいつものライブのような気持ちでできたので意外と楽しかったです。だけど、やっぱり50数名のお客さんがいた2回目のオンラインライブは緊張感が違いましたね。声が出せない、はしゃげない、席も飛び飛びということで、それはそれで異様な雰囲気でしたけど、やっぱりファンの方がいてくださるからこそのライブなんだなと感じましたね。

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