川谷絵音が振り返る2020年の音楽シーン

川谷絵音(Photo by Yuuki Oohashi)


川谷の2021年注目アーティストは?

―では、川谷さんが2021年以降の動きを注目しているアーティストを教えてもらえますか?

川谷:ボカロ的な流れと、日本はバンドが強いっていうことを含めると、NEEはアニメーションのMVで、かつバンドっていうのがあんまりいなかったから、「もしかしたら」とは思ってて。実際ちょっとバズってきてるし、綾野剛くんもストーリーズにNEEの曲を載せてたりして。で、彼らのインタビューを読んでみたら、影響を受けたアーティストにゲスの極み乙女。って書いてあって、複雑な気持ちになりましたけど。

―複雑な気持ち?

川谷:(自分が)懐メロみたいになってるのかなって。もちろん嬉しいんですけどね。フェスとかでも年下の人からCDを渡されたりするようになって。今までそんなになかったけど、最近増えたなって。



―今伸びてきてる若手って、川谷さん世代の影響が大きいと思うんですよね。それこそ、ボカロの流れで言うと米津さんの影響が大きいし、バンドで言うと、いわゆるフェス系のバンドじゃない、オルタナとかポストロックの流れでやってきたバンドの影響が強くなっていて。だからこそ構築的だし、内省的だし。ヨルシカとかYOASOBIを聴いていても、この手の女性ヴォーカルからはきのこ帝国の佐藤千亜妃さんの影を感じたりもするし。

川谷:ヨルシカとかもポストロック感ありますもんね。でも、そのリスナーの人たちはポストロックとか知らないんだろうなあ。3cmtourとか絶対知らないですもんね。

―それはピンポイント過ぎ(笑)。

川谷:あとは、さとうもかちゃんとか。一曲ヒット曲が出たら、あいみょんみたいなヒットを生む可能性もあるんじゃないかなって。でも、今って何が当たるかホントにわからないですよね。ヒットの速度が速くて。逆に言うと、CMとかがいらないっていうか、TikTokだけでも「香水」みたいになっちゃうこともあるわけで。ひらめ「ポケットからきゅんです!」、もさを。「ぎゅっと。」とかもそうだし……みんな平仮名3文字だな(笑)。LINE MUSICはまた文化が違って、そちらのランキングは(名前を)見たことない人がいっぱいいるなって思います。





―他にも2020年、個人的によく聴いた日本人アーティストがいたら教えてもらえますか?

川谷:ベランダってバンドはすごくいいですね。ちょっとくるりっぽいっていうか。あとは、Laura Day romanceとか、South Penguinも好きだし、The Songbardsもよくなりそうな感じがしますね。それとカネコアヤノ。彼女は全然流行りを追ってないじゃないですか? (自分の個性が)一貫してるのに、ここまでリスナーが増えてるのは音楽の力だなって思うから、もっと行きそうだなって。あの、コラボしてたじゃないですか?

―KID FRESINOとの「Cats & Dogs」かな。







川谷:そう、あれもめっちゃよくて。カネコアヤノの声はカネコアヤノでしかないんで、あのトラックでも声が入ってきたら急にフォークになる。あれは強いなって思うから、2021年どんな曲を出すのか楽しみです。バンドもいいですからね。

―ギターの林くん(林宏敏:ex.踊ってばかりの国)、いいですよね。

川谷:俺もめちゃめちゃ好きです。ギターの音が良いんですよね。

―他のメンバーもいいですしね。

川谷:特にベースの人(本村拓磨:Gateballers、ゆうらん船)の弾き様、めちゃくちゃかっこいいですよね、好きです。(笑)。彼らもおそらく30代前半とかで、その世代が誰かの後ろで面白いものを作って、それが今の若い子たちに新鮮に聴こえるようになってきてるのかもしれない。だから、ポストロックがめちゃくちゃ来る可能性もなくはないですよね(笑)。


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