LOW IQ 01の青春時代 「スラップ奏法に目覚めた1989年」

ー面白いですね。テレビ番組とかは覚えていらっしゃいますか?

ダウンタウンの番組は面白かったよね。『夢で逢えたら』は外せない。のちの『ダウンタウンのごっつええ感じ』とかコントユニットってこれが原点じゃない? ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、野沢直子、清水ミチコが出てた。

ーその後色々な芸人が集まってコント番組作るっていう原点ですよね。

俺の中ではダウンタウン元年でもあるんだよ。覚えてるのは、『全員出席! 笑うんだってば』っていう番組。放送期間は短かったけど、これはダウンタウンとB21スペシャルっていう珍しい組み合わせでもあって。元々「ひょうきん予備校」っていう番組で、1986年くらいから俺はダウンタウンを知ってたのよ。やっぱり『夢で逢えたら』でしょ。これはちょっと外せない。未だに観ても面白いからね。

ー相当お好きだったんですね。

番組内でバッハスタジオⅡという、ダウンタウンとか芸人とプロのミュージシャンが一緒に演奏するコーナーがあって。ユニコーンとか、プリンセスプリンセスが来たりとかして。ウッチャンがドラムで、浜ちゃんがベースで演奏していたのを覚えてる。今のハマ・オカモトのルーツでもあるわけか(笑)。

ーダウンタウンも東京進出し始めた頃ですかね。

そう。それでガキ使の放送も火曜日の深夜1時頃から始まってさ。でも、とんねるずのオールナイトニッポンの放送時間も被ってて。それで、オールナイトニッポンを聴きながらガキ使をビデオに録画するんだよね。ガキ使の深夜枠の前に「ヘビメタ虎の穴」ってう番組があったのよ。「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の中から出てきたヘビメタ軍団ってあったじゃん? その枠が30分でスピンオフ的な番組になって、野沢直子が司会やってたのよ。

ーそれ僕も覚えてますね。

「ヘビメタ虎の穴」から色んなバンドも出てくるわけだよ。あとミュージシャンとして一番大きいのはイカ天(「三宅裕司のいかすバンド天国」)も1989年に始まるんだよなあ。バンドブームの一方で、クラブ・ミュージックもこの頃に注目を集めていて。「ダンスホールレゲエ」とか「レゲエ・ジャパン・スプラッシュ」とかアイゴンとよく行ったもん。よみうりランド・イーストでやってたね。デ・ラ・ソウルとかもアイゴンとよく聴いてたもんなあ。デ・ラ・ソウルはこの頃、名盤『3・フィート・ハイ&ライジング』が出たのよね。それでクラブ・キッズっていう言葉が生まれてくるわけ。DJバー「インクスティック」とかピカソとかもあってさ。

ーですよね。

そうそう。食品はやっぱり「はちみつレモン」でしょ。このCMの歌は今でも歌える。「はーちみつレモン」って歌いながらゴルフのスイングするんだよね。あと「鉄骨飲料」は、鷲尾いさ子さんが出演してたCMだったの覚えてる。
--{J-POPという言葉が生まれた1989年}--
ー流行語はいかがでしょう?

「一杯のかけそば」という話も流行ったよね。でもこれって、実は作り話じゃなかったっけ? 実はそんな美談じゃない、うちはそんなことしてませんよって、お蕎麦屋さんが言ってたみたいな話を聞いた記憶があるんだけどな。5時から男もこの年か。高田純次さんが出演してたCMだよね。今考えてみるとさ、当時は一番のんきな時代だよね。日本がある意味で一番いい時代なんじゃない? バブルだし。この歳になって思うけど、もし俺が社会人で、5時から元気になるやつみたらムカつくもん(笑)。当時はのんきだったからそういうのいいねと思うけど、今の時代だったら出社から元気になれよと思うけどね(笑)。

ー確かにそういうのんきな感じはわかりますね(笑)。ヒット曲はいかがでしょう?

これは俺のイメージなんだけど、1990年になってからJ-POPっていう言葉が根付いた記憶がある。1980年代までは歌謡曲って呼ばれてて、それからたぶんな歌番組が減っていくわけよね。それと同時にJ-POP。だから歌番組の形も変わっていくわけだよ。「ザ・ベストテン」的な順位をメインにしていた番組から、「ミュージックステーション」みたいな番組に変わっていって、そこからJ-POPっていう言葉が生まれてくるイメージ。アイドルっていうのもこの時期、Wink辺りで一区切りっていうイメージがある。



ーそれはすごくわかりますね。

世の中では思いっきりバンドブームなのよ。THE BLUE HEARTSとかさ。BOØWYはもう解散していたと思うけど、1989年だと布袋さんも参加してたCOMPLEXの「BE MY BABY」だよね。1989年のヒットチャート1位もプリンセス・プリンセスだけど、彼女らもアイドルじゃないしね。俺、プリンセス・プリンセスの「世界でいちばん熱い夏」が大好き。すごくいい曲。嘉門タツオが、彼女らの名曲「Diamonds」のサビを「大木凡人だね」ってよく歌ってたの覚えているなあ(笑)。嘉門タツオの替え歌はアイゴンとよく聴いていた。

Rolling Stone Japan 編集部

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