ライが官能的なソウルを作り続ける理由「僕の役割はメロウな音楽で人々を癒すこと」

ライのマイク・ミロシュ(Courtesy of Caroline International)

2013年に『Woman』でアルバムデビューを飾って以来、癒し系ソウルの旗手として多くのリスナーを魅了してきたライ(Rhye)。カナダ出身、ロサンゼルス在住のマイク・ミロシュによるR&B/ソウル・ユニットがニューアルバム『Home』をリリースした。マリブにある新居でクリエイトされたサウンドは、これまで以上に神々しく、眩しく光り輝いている。コロナ禍で疲れ切った人々の心を優しく潤してくれるに違いない。ステイホームが続く状況下、『Home』と題されたアルバムを作った経緯などをマイクに尋ねた。

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ー前作のEP『Spirit』はピアノをメインにしたシンプルな作品でしたが、ニューアルバム『Home』はどのような方向性でと考えましたか?

ミロシュ:新作にはシンセサイザーをたくさん使ったよ。それも全てアナログで、コンピュータ系統の音源を使ったものは一切ないんだ。モーグとハーブとジュノ……それにドラムやギター、コーラス、僕の歌などを混ぜ合わせていった。何か新しいことを成し遂げたいという気持ちはあったけど、ライの世界観の中でというのは変わらない。多様なジャンルを結合させる、というその方向性は続けていきたかったんだ。例えば新作では、60人編成の合唱団を起用した。ほとんどグレゴリオ聖歌のようなクラシカル調だったり、クラシックロック的な要素を混ぜ合わせたり、ダンス的な要素も取り入れた。「Black Rain」なんてほとんどディスコ調だし、ソニック面における限界に挑戦したくて生ドラムもいっぱい導入した。前作は優しい作風だったけど、このアルバムではもっとエネルギーを感じさせたかったんだ。よりライブに近いサウンドってことだよね。



ー終盤には「Holy」という曲も登場して、アルバム全体にとても神聖なムードが漂っています。

ミロシュ:うん、ただし、このアルバムは一筋縄ではいかないよ(笑)。3つくらい異なる解釈ができる感じなんだ。その「Holy」って曲も、じつは“神聖すぎないで、僕のために”と歌っている。“少しくらい汚れてても大丈夫だよ”ってね。そう歌いながら合唱団を使ったり、神聖で伝統的なサウンドを奏でている。オルガンなど伝統的な宗教サウンドを取り入れて。逆説的なんだ(笑)。


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