ポール・マッカートニーのソロ名曲ベスト40選

32位「Flaming Pie」
収録アルバム『Flaming Pie』(1997年)

マッカートニーはビートルズの『アンソロジー』プロジェクトの勢いを、アルバム『Flaming Pie』へと持ち込んだ。タイトルは、ジョン・レノンがかつてビートルズの由来について語ったジョークから来ている。タイトルトラックとなる本作は、一風変わったロックンロール曲で、ニューオリンズ調のピアノによるブレイクダウンとトリップしたような歌詞が印象的だ。マッカートニー曰く、アルバムの売れ行きは「全く気にしない」という。「誰もがヒット作を出したいと思うあまりに、楽しむことを犠牲にしてしまっている」




31位「Say Say Say」
収録アルバム『Pipes of Peace』(1983年)

ビートルズ作品の版権を巡って対立するまで、マッカートニーとマイケル・ジャクソンは仲の良い友人同士だった。「マイクは素晴らしく、いい奴だ!」とマッカートニーは、快活な本作をリリースした年に語っている。当時、マイケル・ジャクソンが絡んだ作品は全てヒットした。本作品も例外ではなく、6週間に渡り1位の座を守り続けた。




30位「Fine Line」
収録アルバム『Chaos and Creation in the Backyard』(2005年)

レディオヘッドのプロデューサーとして有名なナイジェル・ゴッドリッチは、アルバム『Chaos and Creation in the Backyard』でマッカートニーにそれまでの殻を破らせた。アルバムではマッカートニーが、ほぼ全ての楽器を演奏している。結果、ピアノをメインにした軽快でクラシックな楽曲が生まれた。




29位「FourFiveSeconds」
アルバム未収録シングル(2015年)

マッカートニーがかき鳴らす、どこか感情に訴えかけるようなアコースティックギターをフィーチャーした、リアーナとカニエ・ウェストのデュエット曲は、マッカートニーにとって過去数十年で最大のヒット作となった。「Spies Like Us」以来となるトップ10ヒットで、ポップミュージック界はまだ彼を必要としていることが証明された。彼自身はほとんど歌っていないものの、「FourFiveSeconds」は完全にマッカートニーらしい楽曲に仕上がっている。シンプルなコード進行から中間部は教会オルガンのブレイクダウンを挟み、静かに攻撃的なジャブを繰り出す。“All of my kindness is taken for weakness”というリアーナのため息は、彼女がアップル・コアを解体しようとしているようにも聞こえる。若き共演者たちというよりも、マッカートニー自身の声を代弁しているようだ。2人のスターを凌ぐには、よっぽどパワフルな音楽的存在感が必要とされるが、マッカートニーは見事にやってのけた。


Translated by Smokva Tokyo

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