ポール・マッカートニーのソロ名曲ベスト40選

12位「Let Me Roll It」
収録アルバム『Band on the Run』(1973年)

マッカートニーには珍しく、激しくブルージーなギターとリバーブを効かせたヴォーカルの荒削りな曲。「Let Me Roll It」はレノンの模倣だ、とたびたび指摘されてきた。しかしマッカートニーは、一貫して否定し続けている。「そんな作り話は別として、僕とレノンとの間には、考え方や曲の作り方などたくさんの共通点があることを忘れないでほしい」




11位「Beware My Love」(邦題:愛の証)
収録アルバム『Wings at the Speed of Sound』(1976年)

「僕らはできるだけハードな曲を作ろうとしている」とマッカートニーは、アルバム『Wings at the Speed of Sound』を制作していた時期に語った。そうして、強烈で展開が印象的なロック曲が完成した。マッカートニーのシャウトとジミー・マカロックによる激しいギターが、のんびりとした楽曲の並ぶアルバムの中でも際立った存在になっている。




10位「Venus and Mars / Rock Show」
収録アルバム『Venus and Mars』(1975年)

「ウィングスは基本的にツアーバンドだ。だからビートルズの続きなどではなく、新たな一つのバンドなんだ」とマッカートニーは、1976年にローリングストーン誌に語っている。とはいえ、当時の彼が関わるもの全てには必ず「それ」が付き纏った。ウィングス・オーバー・アメリカ・ツアーのオープニングは毎晩、「Venus and Mars」から「Rock Show」へと続くメドレーで観客を圧倒した。美しいアコースティックギターのメロディから、一転して激しいロックへと展開する。歌詞では「ロック・ショー」とオランダの「コンセルトヘボウ」で韻を踏み、当時間違いなく最高のアリーナスターだったジミー・ペイジまで登場する。




9位「Another Day」
アルバム未収録シングル(1971年)

マッカートニーは、60年代後半から70年代前半にかけて多くの素晴らしい楽曲を書いている。本作は、その中でずっと温められていた曲の一つ。本作は、1969年にビートルズの『Let It Be』セッション中に初めてお披露目されたものの、初めてレコーディングされたのは、1970年後半のアルバム『Ram』向けのセッションだった。そして、マッカートニーのソロとしてのキャリア初のシングル曲となった。マッカートニーが得意とするストーリー仕立ての楽曲で、ドラムのデニー・シーウェル曰く、「ニューヨークシティ版“Eleanor Rigby”」だという。リンダの哀愁を帯びたコーラスが、主人公の若い女性を生き生きと表現している。


Translated by Smokva Tokyo

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