BTS所属事務所、競合YGの株式の一部を取得「新しい物語のはじまり」

Koury Angelo for Rolling Stone; Toni Anne Barson/Wireimage

BTS(防弾少年団)が所属する韓国の大手芸能事務所、ビッグ・ヒット・エンターテインメントがBLACKPINKを輩出したライバル会社YGの株式の一部、約6300万ドル(約65億円)を取得すると発表。

韓国の聯合ニュースが報じたところによれば、BTSが所属する韓国の大手芸能事務所であるビッグ・ヒット・エンターテインメント(以下、ビッグヒット)が700億ウォン(約65億円)の投資をK-POP業界の競合であるYGエンターテインメント(以下、YG)に行うことがわかった。これによってYGの子会社・YG PLUSには、パン・シヒョク氏率いるビッグヒットから300億ウォン(約28億円)と同社子会社・beNXから400億ウォン(約37億円)の総額700ウォン(約65億円)が投資される。米ヴァラエティ誌によれば、今回の投資によってビッグヒットとbeNXが共同でYG PLUSの株式の17.9パーセントを取得することになる。

韓国・ソウルを拠点に置くYGはヤン・ヒョンソク氏が1996年に立ち上げた芸能事務所で、BLACKPINK、BIGBANG、2NE1、PSYなど数多くのK-POPスターを輩出してきた。ヒョンソク氏は2019年6月に同社を退社している。

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beNXは、アーティストとファンをダイレクトにつなぐビッグヒットのアプリケーション兼オンラインプラットフォーム「Weverse」を開発した同社の子会社である。同社のグローバルCEOを務めるユン・ソクジュン氏(英:Lenzo Yoon)は、2020年の最初の9カ月にわたる同社の重要成功要因のひとつとしてWeverseを挙げている。この時期に同社の全世界売上は4億3700万ドル(約455億円)を記録し、コロナ禍においても前年と比べて飛躍的な成長を遂げた。2020年の最初の数カ月に1000万件のダウンロードを記録したWeverseは、アーティストと世界中のファンをつなぐツールとしてYG PLUSでも活用される。それに加え、YG PLUSは今後のビッグヒットの音源流通とマーチャンダイジング事業をサポートする。

「両社はそれぞれの分野において常に最高レベルを追求してきました。ここからは、物語の新しいチャプターの始まりです」とYG PLUSはプレスリリースを発表した。

ビッグヒットは次のように述べている。「私たちは、YG PLUSとのシナジーを楽しみにしています。YG PLUSは音源流通やグッズ生産などの幅広い分野において強力なネットワークを築いている一方、私たちとbeNXにはアーティストIP(知的財産)とプラットフォームといった強みがあります」。

「私たちは、エンターテイメントライフスタイルに影響を与える多種多様なコラボレーションを通じてともに成長していくでしょう」。

2020年5月、ビッグヒットはソウルを拠点に活動するK-POPレーベル・Pledis Entertainmentの株式の一部を取得。現在は同社最大の株主である。

同年11月、ビッグヒットはWeverseの米国アーティストへの事業拡大を発表し、「あらゆるグローバルファン体験を実現するためにデザインされたグローバルプラットフォームとしての地位を確立すること」を掲げた。

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同年10月15日、ビッグヒットが韓国取引所に上場。取引開始直後には、1株13万5000ウォン(約1万2000円)という公募価格のおよそ2倍にあたる1株27万ウォン(約2万4000円)という初値を記録した。

株価は35万1000ウォン(約3万2000円)でピークに達したものの、25万8000ウォン(約2万3000円)で初日を終えた。

終値によるビッグヒットの時価総額は、8兆7000億ウォン(約8000億円)だった。これによって創業者のシヒョクCEOが所有する36.6パーセントの株式は3兆1400億ウォン(約2920億円)相当となった。


この記事は、音楽業界のニュース、分析、採用情報等を扱うMusic Business Worldwideに掲載されたものです。

From Rolling Stone US

Translated by Shoko Natori

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