BLACKPINKが語る、初のオンラインライブ「生ライブでは考えられないステージを実現します」

星の数ほどあるストリーミングプラットフォームの中からBLACKPINKは迷うことなくYouTubeをパートナーに選んだ。その理由のひとつとして、YouTubeが膨大なインターネットトラフィックの扱いに慣れている点が挙げられる。「私たちには、数百万人規模の同時視聴を可能にするキャパシティがあると確信しています」と、YouTubeのアーティストリレーションズ部門のグローバル責任者を務めるヴィヴィアン・ルウィット氏は今年1月に行われた本誌の別インタビューでこのように述べている。YouTubeの音楽チームがチャンネルメンバーシップを通じてオンラインライブという形でアーティストとタッグを組むのは今回が初めてだが、同社はライブストリーミングという分野において豊富な実績を持っており、加えて昨年はライブオーディオとビジュアルのクオリティのアップグレードを実施し、チップという「視聴者ファンディング」機能も導入した。

これらに加え、BLACKPINKとYouTubeは何年も前から関係を築いてきた。家庭用スクリーンを想定したTHE SHOWはBLACKPINKにとっては初めてのオンライン限定ライブだが、YouTubeは絶賛された2019年のコーチェラ・フェスティバルのステージをニューヨークのタイムズスクエアで配信した実績を持つ(BLACKPINKはコーチェラの舞台に立った初のK-POPガールズグループ)。

「BLACKPINKはYouTubeをとても積極的に活用しています」とルウィット氏は話す。「私たちが新機能を発表すれば使ってくれますし、熱心に新機能を試してくれます。『プレミア公開』機能を発表したときも真っ先に導入しました。投稿者が動画を配信して視聴者をプレミア公開へ誘導できる『Live Redirect』機能を少し前に導入したときも、まだベータ版だったにもかかわらず、一番乗りで試してくれました」とルウィット氏は述べ、YouTubeとBLACKPINKがコロナ禍における“多面的アプローチ”を模索しはじめたと続けた。このアプローチの一環として、BLACKPINKは昨年9月に配信されたYouTubeのオリジナルミュージックシリーズ「RELEASED」の第1話に出演した。

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BLACKPINKのYouTubeチャンネルの有料メンバーシップに加入することで視聴できるTHE SHOWは、ただの単発イベントではない。メンバーシップは購入日から2カ月間有効で、期間中に何らかのバックステージ映像やBLACKPINKがセレクトした追加コンテンツもアップロードするとYouTubeは言う。ルウィット氏はこれ以上の詳細は明かさなかったものの、この間にアンコール的なコンテンツに加えてインタビューやクイズ動画もアップロードされるかもしれない。

韓国で行われるTHE SHOWは、当初は昨年12月27日に開催される予定だった。新型コロナの感染拡大によって今年の1月に延期されたものの、これによってメンバーは1カ月多いリハーサル期間を得た。「延期によって、本来の日程であれば実現できなかったような特別なセットを加えることができました」と新年を迎えてから2週間が経った頃にメンバーはメールをくれた。「ライブが本当に待ち遠しいですし、ファンのみんなにとって最高のプレゼントになると信じています」。

コロナ禍という困難な状況にもかかわらず、BLACKPINKは世界中のファンの一体感のようなものに希望の兆しを見出した。「とてもスペシャルなイベントになるでしょう。世界中のBlinkのみんなが同じタイミングで私たちのライブを視聴してくれるのですから」とメンバー4人はコメントした。「物理的には別々の場所にいますが、それぞれのセットを通じて生まれる想いでつながっています。それも安全な環境で。私たちの近年のツアーをまだ観ていない人たちにとっても素晴らしい機会になると思います。緊張でドキドキしていますが、期待と興奮のほうが大きいですね」。

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Translated by Shoko Natori

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