アーティスト向け新サービス ストリーミング収入などが即時で受け取れるクレカが誕生

Create Carbonがインディーズ系アーティストに与える影響についてシュトラウス氏は強気と言えるほどの態度を示す一方、もっとメジャーなアーティストにも同じようなメリットがあると氏は語る。「莫大なマーケティング予算を承認することができます。それも送金といった手間のかかる作業もいりませんし、カード一枚ですべてが叶うのは素晴らしいことです」と述べた。「(ロイヤリティを)毎日支払ってもらうためにこのシステムを使う人はいないかもしれませんし、多くの人にとってはマーケティング使用がメインかもしれません。でも、それでいいんです。収入と支出という日々のお金の流れが把握できるのですから」。

CMGの新たなクレジットカードサービスは、音楽業界において異色だ。だが、業界関係者以外の人たちが思うほど無謀なものでもない。機能という点で音楽会社は、アーティストの作品に対して融資を支給する投資銀行的な役割を長年果たしてきた。こうした融資は、作品による収益を通じてあらかじめ定められた期間内に返済されてきたのだ。

シュトラウス氏は、CMGのクレジットカードが“ミドルクラス”アーティストのサポートとなり、ストリーミング収入をレコードレーベルから渡された小切手に書かれた数字ではなく、自身のツールとして考えられるよう、彼らの地位向上に貢献したいと期待を寄せている。

「いままでは、ビッグになるか、無名のままでいるかでした。その中間というものは存在しなかった。でも毎月8000、9000ドルを稼ぐアーティストがいたっていいじゃないですか」とシュトラウス氏は話す。「中産階級によるアメリカという、何百万もの人たちがこうした方法でロイヤリティを稼ぐ全体的なシステムがあってもいいと思いませんか? 個人的には、かなりクールな仕組みだと思います。そこまでの道のりは長いです。Create Carbonはこうした問題をいますぐ解決してくれるわけではありませんが、難題を解くための鍵にはなるでしょう」。

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Translated by Shoko Natori

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