UKを制したソウル新世代、セレステが語る「自分の声」を見つけるまでの過程

セレステ
(Photo by Elizaveta Porodina)

2021年1月に、デビュー・アルバム『ノット・ユア・ミューズ』をリリースしたイギリス人シンガー・ソングライターのセレステ。ブリティッシュ・ソウルとR&B色が混ざったジャズ調な楽曲を特徴とする彼女は、本作を完成させる前から“期待の新人”として数多くの音楽メディアやアワードから高い評価を得て、過去にサム・スミスやアデルもその栄光に輝いた「BBC Sound Of 2020」の1位を獲得している。また、著名人をも虜にする彼女は、ビリー・アイリッシュやジェームズ・コーデンらからもファンを公言されるほど。

満を持してリリースした『ノット・ユア・ミューズ』は、リリースするやいなや全英アルバム・チャートで初登場1位を記録した。今回そんなセレステとの、デビュー・アルバムに込めた想いやその制作過程についてのロング・インタビューが実現。新型コロナウイルスによるパンデミックや、ブラック・ライヴズ・マター運動から受けた、作品への影響についても語ってくれた。



―まずは、デビュー・アルバム『ノット・ユア・ミューズ』のリリースおめでとうございます。Tieksの「シング・ザット・ソング」でレコーディング・デビューしてから約6年、デビュー・シングルの「デイドリーミング」のリリースから約4年の歳月が経っていますが、こうして最初のアルバムを完成させた率直な感想を聞かせてください。

セレステ:ありがとう。制作にはかなり長いプロセスがかかり、3年かけてやっとでき上がりました。でも、そのうちスタジオで過ごしたのは、多分たったの7カ月くらいで、作業の合間にゆとりはありましたね。本当は2020年3月に仕上げたかったのですが、それができなくて、仕上げのためにスタジオに入るまでに3カ月間も空いてしまって。ですが、逆に期間が長引いたおかげで、曲がより成長することができたと思っています。



―『ノット・ユア・ミューズ』のリリースに至るまで、「BBC Sound of 2020」をはじめとする数多くのアワードやメディアで“ブライテスト・ホープ”として讃えられてきましたね。こうした評価は、アルバム制作にどのような影響を与えていますか?

セレステ:音楽を作りたいというモチベーションが確実に上がったと思います。でも同時に、高い期待を感じてしまうことで逆にプレッシャーにもなりました。可能な限り良い作品を作らなくてはと思ったし、皆から見られている、注目されている、という意識から、絶対に自分自身にとって誠実なアルバムを作らなくてはと感じて。結果、そういった想いがアルバムを制作する上で一番大切なことになりました。

―『ノット・ユア・ミューズ』は、特定の音楽ジャンルに当てはめて語るのが困難なほど、多彩な魅力に溢れている作品だと思います。そんなアルバムを作り上げるまで、あなたの音楽観の形成に大きな影響を与えたアーティストを挙げていただけますか?

セレステ:主に聴いていたのはソウルやジャズ。子どもの頃のお気に入りのシンガーは、アレサ・フランクリンやビリー・ホリデイでした。あと、ダイアナ・ロスも大好きだったな。彼女たちは、私の歌い方やサウンドに影響していると思います。


セレステ作成のプレイリスト

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