Leon Fanourakisが語る、進化したフロウの秘密

Leon Fanourakis

ラッパーのLeon Fanourakis(レオン・ファノラキス)が2ndアルバム『SHISHIMAI』を完成させた。客演にはWILYWNKA、JP THE WAVY、LEX、SANTAWORLDVIEWを迎え、海外からは、6ix9ineの楽曲を手掛けたニューヨーク出身のGHXST、Famous Dexに楽曲を提供したノルウェー出身のKrissiO、南アフリカ出身のOakerdidit 、アトランタ在住の日本人Yung Xanseiなどがプロデューサーとして参加。

国内プロデューサー陣にはYENTOWNに所属するトラックメイカー/DJのU-LEE、今回が初共演となるJIGG、大阪発のヒップホップレーベルHIBRID ENTERTAINMENTに所属するトラックメイカー/DJのBULLSET、横浜を拠点に活動するトラックメイカー/DJのNOCONOCO、「ラップスタア誕生!」審査員のYusuke Ito(MurderFaktry) 、都内や横浜等で活動する若手クルーClassy FamilyからAKIなどが参加している。

個性豊かな曲を揃えた全15曲のアルバム。持ち前の「声」の鋭さは変わらず、音楽的なアプローチを一気に広げてきた印象である。「NO LIGHTS」「KAGE」のようにパッと見は「闇」の匂いのするアルバムだが、「CHAMPION feat. LEX」の爆発力や「FALL」のエモーショナルな響きはむしろ「光」を感じさせるし、Leon Fanourakisの生命力が漲りまくった一枚だと言える。インタビューに応じてくれた彼の表情からは「やりきった」という満足感と手応えが感じられた。



ー前回Leonさんに取材したのは2019年の夏頃ですけど、それ以降、AK THE SAVIORとのEP『FLATBU$H ¥EN』があったり、単発で曲を発表したり、あとはいろんなアーティストの曲に参加していましたが、今回のアルバムはそれらを上回る「変化」が感じられました。ラップの表現がより音楽的になったというか。

そこは目指してたところですね。コロナの影響もあって、1年半という時間をかけて試行錯誤しながら作って、いろんな人とのセッションから生み出された選りすぐりの曲をまとめた感じです。JIGGさんと「BEAST MODE feat. JP THE WAVY」で初めてセッションしたり、U-LEEさんとの「ZEKKOCHO」も遊びに行った時に「こういうフックの感じでやろうぜ」ってノリで作った曲で、1人じゃ想像もつかないようなことがプロデューサーと一緖にやって生まれる。たくさんのアイデアが活かされてるアルバムだなって自分は思います。あと、前の作品と変わったところは日本語をより意識した点ですかね。英語も入れてますけど、しっかり自分が言ってることを伝えたいというのと、やっぱり俺が使うのは日本語だし日本のみんなにも届いてほしいから。





ー日本語のラップにこだわりたいっていうのは、前回のインタビューの時も話してましたよね。

はい。なおかつフロウはヤバめで取り組みたかったんで。あとは心境の変化ですね。AK THE SAVIORと一緒に作品を作ったことが大きくて、自分は英語をしゃべれないんですけど、彼とは本当に音楽だけで仲良くなって繋がれた。こっちのラップも何言ってるか通じてないだろうけど、お互いにわからなくても通じ合えるものがあるんだなと。音楽の価値観っていうか、そこで考え方が少し変わったっていうのはあります。



ーAK THE SAVIORとのコラボレーションは、Leonさんにどういう影響をもたらしたんですか?

高校生の頃からThe Underachievers(AKとIssa GoldからなるNYのラップデュオ)
を聴いてたんですけど、たまたま彼と一緒にやる流れになってセッションして曲を作ったわけじゃないですか。去年の1月にニューヨークに行ってスタジオに入って。その中で感じることがたくさんあって、メロディとかフロウとかリリックは全世界共通なんだなっていうのが身に染みてわかったんですよね。



ーなるほど。

今回のアルバムは感情的な曲もあるし、盛り上がろうぜっていうただ単にアガれる曲もあるし、前作よりも自分の内面を出してるリリックだと思います。WILYWNKAさんと作った「Better Now feat. WILYWNKA」の歌詞は特に気に入ってますね。今が一番いいけど、後ろを向いたら足跡が増えている。そうやって自分はちゃんと一歩ずつ進んできてるわけだから、がんばろうみたいな感じの曲です。

ー多彩なアルバムだけど、ハッキリした軸が一つありますよね。

そこを感じてもらえたら、すごくうれしいですね。

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