Leon Fanourakisが語る、進化したフロウの秘密

使える「武器」を増やしていく

ービートメイカーとはどういうやり取りがあったんでしょう?

Yung Xanseiは今海外に住んでるんで、データのやり取りでしたけど、それ以外はほとんどセッションです。JIGGさんの場合は最初にビートがあって、俺がその上にリリックを書いてJIGGさんのアイデアをさらに足して変化させていったり、LEXと作ったやつはLEXの家で勢いでババッとレコーディングして作ったり。とりあえず気に入ったビートがあったらフロウを乗せてみて、そこからフックやバースを話し合って決めていく……みたいな。

ー全15曲の大半がそういうセッションで生まれたんですか?

半々ぐらいかもしれないです。まずは自分1人でフォーカスして作ったものも多いので。

ーLeonさんはヒップホップを始める前、部屋でずっとギターを弾いたりとか、プレイヤーとしての音楽体験が根っこにあるじゃないですか。そういうバックグラウンドも「より音楽的にしていく」っていう点では強みになりそうですね。

それはありますね。できれば毎日音楽には触れていたいですね、自分は。

ーメロディへのアプローチは実際どうだったんですか。「歌う」っていうのは新境地でもありますけど。

ずっとスピットしてる感じじゃないですか、自分のラップのイメージって。けっこう早口だし、そこからメロディアスになるのって最初はちょっと違うかもと思ったんですけど、そこから探り探り答えを見つけて。やっぱり全然違いますね、ラップとメロディは。でも音楽的に考えたら、一応フロウもメロディなんで、ラップの手法の一つがメロディっていう風に自分は考えてます。

ー「CHAMPION feat. LEX」でもオートチューンを入れたりして、いろんな声が聞こえてくるアルバムだなと。

そうですね。全部含めてこれが俺のスタイルになればいいというか、これからも武器を増やしていきたいと思います。



ー「HOT SAUCE」はグライムですね。

グライムのスタイルは初めてだと思うんですけど、前からみんなにグライムやりなよって言われてて、最初はちょっと抵抗みたいなのがありつつ、だんだん「これはイケるかも」と思ってきたところで、BULLSETさんがこのトラックを聴かせてくれて。即決でした。アルバムに入れようって。

ーこのアルバムには、ニューヨークのGHXST、ノルウェーのKrissiOとか、海外のビートメイカーの名前もクレジットされているけど、日本人のビートメイカーって全然負けてないというか、むしろもっと世界に知られてもいいようなヤバい人がたくさんいるんだなとあらためて思いました。

海外のビートメイカーのビートも入ってますけど、それはネットで見つけたやつってだけですからね。メインは日本人のビートメイカーです。ビートを買うのはいいんですけど、結局ちゃんとしたトラックもらえないこともあるんで、ネットで探すのは大変なんですよね。それよりはセッションの方がいいです。あと「NANIMONO」って曲に参加してるAKIっていうビートメイカーは同い年なんですけど、Classy Familyっていうクルーの一員で、今注目のビートメイカーなんでピックしたいなと思って。

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