ーまず、古川本舗として音楽をもう一度始めようと思った理由から教えてもらえますでしょうか?
まず、何かしらの形で音楽をもう一度やるということに関しては既定路線でした。というのも、ラストライブが終わったあとに、ブログか何かで「すぐ戻ってくる」ということを言ったらしくて。
ーそうですね。当時のブログでは「どうか楽しみに待っていてほしい、1年以内に聴かせるよ」とありました。
そうなんです。実際、曲もありましたし、出すだけだったらすぐにでも出せたんですよ。なんですけど、いざやるとなると、それこそ「どんな名前で出すのか」とか「この曲でいいんだろうか」というところで二の足を踏んじゃって。自分でずっと作っているから当たり前なんですけど、当時の曲はどうしてもそれまでの古川本舗というものを色濃く受け継いでいる感じがあったんですよね。新鮮さもないし、それを出したら「なんでこの人辞めたの?」ってことになっちゃう。悪くはないけど、自分で聴いて「ふーん」って思って終わりみたいな感じで、自分の作ったものを愛せなかった。その期間は長かったですね。