RADWIMPSの軌跡を読む 担当ディレクターが語るバンドとの友情

田家:そういう中で、渡辺さんが選んだ本日最後の曲は、2008年1月発売の「オーダーメイド」です。



田家:こちらは小見出しがありまして、「難産を極めた」一曲です。この曲から、2009年3月11日発売のアルバム『アルトコロニーの定理』までの記述はすごいですね。なかなか短時間のラジオで語れる内容ではないので、ぜひ本をお手にとってご覧いただきたいです。野田洋次郎さんが、すごいバンドになるための遠回りだと仰っていた時期です。渡辺さんは著書で、突き詰めれば突き詰めるほどメンバーには距離が、そして心に空洞が生まれた、と。そういう時期だったんですね。

渡辺:これは永遠に曲が完成しないなと思いました。立ち止まったりもせず、延々と試行錯誤をしていて、ずっとこれをやっていくんじゃないかと思って。どんどん痩せていくし、すごいオーラになってきて。

田家:「彼自身の消耗も激しかったが、その高い意識に向き合う3人は見るからに消耗していった」、「ナベさんが愛してくれたRADWIMPSは終わってしまったよ」と、野田さんが言ったんですね。

渡辺:洋次郎が彼女と上手くいかなくなってしまって、彼女に愛を叫ぶための装置としてのRADWIMPSが終わったという意味なんです。この頃はもっと先に行こうとして、バンドが高みを目指していたので。これは曲の制作が終わらないか、最後には野田洋次郎ソロアルバムになるんじゃないか、とさえ思ったくらいでした。

田家:これは本を是非お手に取って読んでいただきたい、と強く思います。この本は2009年までのことを書いていますが、「人生出会い編」と銘を打つくらいなので、この続きもあるんですか?

渡辺:読んでくださる方がいれば、中期から今までも書きたいと思っています。今は有料ファンサイトで連載させてもらっています。

田家:2年後くらいには本になるんでしょう。今年のRADWIMPSはリリースの動きもあるんですよね。

渡辺:東日本大震災が起きてから毎年曲を出していたんですけど、10周年なのでアルバムにまとめました。特典映像もつけて、売り上げは全てチャリティーになるんです。3月11日に発売です。

田家:その話は5年後くらいに本になるのでしょうか。お聴きいただいたのは、2008年1月発売、初のシングル一位獲得の曲「オーダーメイド」でした。

Rolling Stone Japan 編集部

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