デイヴ・グロールが語る、ドラム・バトルで得た2020年最大のインスピレーション

刺激的なプロデューサーの存在

ー今回の新作で再びプロデューサーのグレッグ・カースティンと組んでいますよね。グレッグとは前作『Concrete and Gold』が初仕事で、その時は全く新しいサウンドを追求していましたが、二度目となる今回はどうでしたか?

デイヴ:グレッグ・カースティンは天才なんだよ。本気でそう思ってる。彼は音楽の博士だし、ありとあらゆる楽器に精通してるし、自分が今までの人生で出会ったどんな人よりも、ハーモニー、メロディ、アレンジのすべてを深く理解してるよ。ジャズもファンクもレゲエもパンク・ロックも何でもこなせるんだ。ファッ◯ン・天才なんだよ。彼はアデルやシーアといったポップスのプロデューサーとして有名なんだけど、彼のハートにはバンド・スタイルのライブ・ミュージックがあるんだ。元々俺は彼のことをプロデューサーとしてよりも、ミュージシャンとして好きだった。彼はザ・バード・アンド・ザ・ビーというバンドをやってて、俺は1stアルバムが大好きすぎて、その時から彼のことを天才だと思ってたんだ。もしビーチ・ボーイズがブラジル出身で、シンセサイザーを使って、プロデューサーがジョージ・マーティンだったらこうなるんじゃないかっていうサウンドで、とにかくスゴい。

それである夜、たまたま彼のことをレストランで見かけたんだ。まだ知り合いじゃなかったんだけど、彼が家族と一緒にいる席に行って、「お邪魔してすみません。あなたは天才ですよ。大ファンなんです」って言ったんだ。そこから友達付き合いが始まって、何年かしてフー・ファイターズのプロデュースをお願いすることになった。前作の『Concrete and Gold』は、グレッグにとっては初めてのハード・ロック・バンドのプロデュースとなったんだ。だから彼にとっても、俺たちにとっても、いい勉強になるような経験になったね。彼からはスゴく多くのことを教えてもらったよ。今では彼も近所に住んでるから、さらに仲も良くなった。だから、彼と仕事をすると、プロフェッショナルな関係という感じはなくて、友達が普通に一緒にスタジオにいる感じなんだ。でもそれがまたいいんだよ。今回の話をするとね、アイデアがあって、そのアイデアはまだ自分たちがやったことのないものだったんだけど、グレッグが俺たちの手を取って、一緒に歩いてくれて、俺たちの行きたい場所に連れていってくれたから、困難なことなんて全くない、そんな感じだっんだ。それが可能となったのも、彼が何でもできるからなんだ。

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