BAND-MAID、武道館お給仕セトリで見せつけたバンドの実像

開演時刻の17時を少し過ぎた頃、オープニング映像とSEが流れて激しい点滅をくり返す照明の中メンバーが登場し、「Warining!」からスタート。強烈なギターのリフとスラップを織り込んだベースが絡み合う。クールな表情でパフォーマンスする中、小鳩ミクが時折楽しそうな笑顔を見せ、「DICE」ではSAIKIが画面の向こうのファンを手招きするように誘う姿でさらに画面に釘付けにさせる。続けて、「Screaming」のテンションの上がっていくギターソロでは、当初は緊張した顔つきに見えたKANAMIの表情が一転、腰を据えてうっとりとしたギターヒーローの表情を見せる。

序盤から爆速で攻撃的なセットリストが続く中、一息もつかせまいとするように新曲「BLACK HOLE」を畳み掛ける。MISAは頭を振り回し、AKANEは地鳴りのように激しくドラムを叩きながら、笑顔の表情のギャップで魅せる。


MISA(photo by MASANORI FUJIKAWA)

2021年初のお給仕を迎えられたことに感謝を伝えるショートMCを挟んだ後は、2nd EP『New Beginning』から「Thrill」を披露。曲が始まる前には、時間が巻き戻る演出の映像があり、これまでのバンドの活動を振りかえるように同曲を披露した。バンドの音楽的な方向性を決定づけたというこの楽曲は、今でも盛り込まれるテクニカルな速弾きやドラムのツーバスが取り入れられ始めた、まさにBAND-MAIDの原点ともいえる。発表当時よりも演奏中のメンバーの表情は豊かで、曲のサウンドやアレンジもより勇ましく進化した。


AKANE(photo by MASANORI FUJIKAWA)

同じく2nd EPから「REAL EXISTENCE」、「Don’t let me down」、さらに時間が進み始めると、2016年の3rd EP『Brand New MAID』から「alone」、「FREEDOM」を立て続けに披露。ここでエンジンがかかってきたSAIKIが「さあ世界中の皆さん声足りてないんじゃないのー! かかってこいよ!」、「もっと!」と、画面の向こうに高まる熱を叫んで煽り、小鳩とKANAMIは間奏のギターソロで掛け合いを見せ、ステージはどんどん白熱していく。我々視聴者がかかっていく以上に、BAND-MAIDの方が力強く迫ってくるようだ。

Rolling Stone Japan 編集部

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