宮川愛李が挑んだ再起動、SNSを離れ自分の歩幅で表現した1stフルアルバム

ー内澤さんはさらに「凪(な)ぐ」、「わすれもの」の2曲も提供されていますね。こちらは「Reboot」と対照的に、ゆったりとしたバラード調の曲です。

その2曲もかなりレコーディングや制作が大変だったんです。作詞に関しても、それぞれの曲に仮歌の部分から、ここのフレーズはバッチリだっていうところが必ずあって。「凪(な)ぐ」は特にA、Bメロはほぼ仮歌詞そのままですし、「わすれもの」は大体ワンコーラスまるごと仮歌詞のハマりがよくて。どれぐらいその曲について私が理解して、道を見つけられるかによって、完成までどれぐらい時間がかかるのかが変わってくるんです。こういう本格的なバラードは初めてなので、より一層身を引き締めて、気遣いながら歌い上げていて。加えて、内澤さんらしい楽曲だなという印象も受けたので、歌詞も歌も内澤さんならどうするかな? って、研究しながら歌い上げたというのもあります。だからこそ、今回内澤さんと一緒に作ることができた3曲というのは、ものすごく自分の音楽にスッと馴染んでいくようで、私を活かすことができた楽曲だと思っています。

―作詞やレコーディングについて、内澤さんから曲のイメージは共有されていたんですか?

イメージの共有ではないんですけど、作詞に関してのアドバイスをいただきました。今の私にしか表現できない、今しか感じることができない感情を書けるうちに書いたほうがいいと仰っていて。私は今20歳ですけど、もっと歳をとった時に、20歳の時に経験した想いをそのまま正直に書けなくなるよ、というアドバイスをしてもらいました。アルバム収録曲は全部作詞に関わらせていただいたんですけど、ちょっと作詞で迷ってしまう部分もあって。そういう時は内澤さんからのアドバイスを思い出して、なんとか最後まで仕上げることができたと思います。

―歌についてもお伺いしたいです。「思案ブルー」はポップな曲調で、ライブでもハンドクラップが起こるような曲ですね。この曲での愛李さん歌声はキュートでもありつつ、「変えたくて、変わりたくて」という部分では変わりたいという力強い意志が伝わってきて歌の表現の幅が広さを感じました。こういう歌い方のアクセントは意識されていらっしゃるんですか?

今回のアルバムは、特に印象の違う楽曲を歌わせてもらっているので、同じ声の人が歌っていると思わせないくらい、表情を変える工夫を凝らしたんです。その中でも「思案ブルー」は、感情的にも歌的にも、今までの私により近い方の楽曲ではあるかなと思いますね。今作は殻を破るというテーマですけど、デビューしてからの1年間の私の気持ちも忘れたくなくて。そういう面では、「思案ブルー」は私の全ての想いが詰まった楽曲なんです。これまでずっと応援してくださっているファンの方々からも親しんでもらえる曲になるかな、と思っています。

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