aikoが語る、日常を歌にするまでの過程「絡まった洗濯物は好きという気持ちと同じ」

aiko(Courtesy of PONY CANYON)

aikoが約2年9カ月ぶり14枚目となるフルアルバム『どうしたって伝えられないから』を3月3日にリリースした。そこでRolling Stone Japanでは独自の質問を交えた彼女のインタビューを掲載することになった。

ちなみに、筆者、Rolling Stone Japanのチーフディレクターとaikoは75年生まれの同い年。そこで、いつの間にか社会における立場が変わってきている我々の世代へ向けたエールをインタビューの最後に求めたところ、彼女らしい回答が返ってきたのだった。聞き手はライターの森朋之。

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—ニューアルバム『どうしたって伝えられないから』、去年以降のaikoさんモードがリアルに感じられる、素晴らしい作品だと思います。aikoさんご自身にも、これまでとは違う手ごたえがあったのでは?

はい、違いましたね。今回のアルバムは、前よりも自分で制作していた感じがあったんです。たとえばボーカルのセレクトも、スタッフが選んでくれたものに対して、「ここをもうちょっとちゃんと歌いたい」という話をしながら進めました。今までの作品のなかでも、人の目をしっかり見て、会話をしながら作れたアルバムのような気がしてますね。マスタリングが終わったときも、すごく達成感があったんですよ。やっとスタートに立てたというか、「このアルバムをどうやって届けられるか」というところまで来れたなって。

ーアルバムに関わる人たちとしっかりコミュニケーションを取りながら制作できた、と。

はい。デビューして22年経つんですけど、(制作に対して)自分にコンプレックスがあって。ミュージシャンのみなさん、エンジニアやアレンジャーの方に聞きたいことがあっても、「こんなことを今さら聞くなんて、何も知らないんだな」と思われたらどうしようって怖くなって、質問できないんですよ。自分で作っておきながら、ミュージシャンの方が音を入れてくださって、「大丈夫でしたか?」と聞いてくれると、「私に意見を聞いてくれるんや?」って恐縮しちゃうし(笑)。でも、今回は自分の気持ちをちゃんと伝えて、聞きたいことは聞いて。「ちゃんと自分でやらなくちゃいけない」と思っていたし、それが出来たのはすごく良かったなって。このアルバムを聴くと、一緒に作った人たち、演奏してくれた人たちの顔が浮かぶんですよ。それはホントに幸せなことだなと思うし、1曲1曲しっかり作れた実感がありますね。

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