DEAN FUJIOKAが語る、ルールが変わった世界で表現する音楽と絵本

―「Plan B」のアウトロはギターソロでフェイドアウトしていきますよね。これは、次なる展開へ続く、みたいな終わり方なのかなと。

まあ単純に、フェイドアウトで終わるのが良いなと思ったのもあるんですけど(笑)、最初からギターソロで終わりたいなというのがあって。ギターって“魂の叫び”みたいなものを表現するのにすごく適した楽器じゃないですか? 曲の中ではギターが前に出てくる形で存在していなくてもいいけど、とにかく最後はもう、ギターがシャウトするみたいな終わり方が「Plan B」にとっては良いなと思ったんです。この曲を書いたときに考えたのが、依存する側と依存される側って、1つのエコシステムで、どっちもいないと成立しない、どっちがどっちを利用しているかわからない部分があるなと。そこで片方のバランスが崩れるともう片方のバランスも一気に崩れるのか、もしくは次に行くのかとか、そんな依存関係みたいなものについても歌ってるんです。その依存関係というのは、1つの思想とか常識とか、対人以外にもあると思うので。それについて時間の概念、瞬間と永遠の関係性とは? みたいなところも含めて考えていたら、最後はやっぱり泣きのギターでフェイドアウトが一番イケてるなと思ったんです(笑)。

―答えのない問いかけがエモーショナルな叫びになっているんですね(笑)。DEANさんのボーカルもすごくエフェクトがかかっていますよね。

あれは、オートチューンで尖らせているんですよ。オートチューンってもともとピッチを矯正するために作られたエフェクトなわけですけど、それをアートの表現として使うのが、トラップ以降普通になっていったんですよね。コロナウィルスをはじめ、世の中には色んなウィルスがあると思うんですけど、ウィルスって生命なのか非生命なのかっていう話があって。自分でリプロダクション機能を持っていないけど、生命にくっついたときに自己再生ができる。その概念ってすごくエイリアンっぽくて未来っぽい(笑)。“生命と非生命の間”が自分の中で気になっている部分だったんです。オートチューンって、そういう表現をするのにすごく向いていると思ったんですよね。

―今作を経て、さらに音楽で表現していきたいというものも既にあるわけですか。

明確にこういうことをやってみたい、というビジョンはあります。それに向けて、日々男を磨いています(笑)。

Rolling Stone Japan 編集部

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