錦戸亮が語る「さすらいの道」

アレンジへのこだわり

ー武道館で無観客で1人きりっていうのは、メンタル鍛えられるでしょうね。

錦戸:はい。無観客ってことだけでも、メンタルちょっとグラっときますから。

ーリハの時点から寂しいって繰り返し言ってましたよね。

錦戸:寂しかったですもん(笑)。弾き語りと同時進行でバンドの方のリハもやっていて。とにかく一人だと不安でしょうがなかったですけどね。

ー不安はあるだろうなと感じつつ、歌っている間は楽曲に没頭してるなぁっていうのはすごく伝わりましたよ。

錦戸:あ、本当ですか。でも自分的にはそう見えていたならラッキーくらいですかね。

ー1日目は文字通り裸一貫でやりきったライブだったと思うんですけど、2日目のバンド編成はまた趣が全然異なるステージで。ストリングスの弦楽器隊もしっかりハマってて、「(ストリングスは)色鉛筆で言うと金色」って話してましたけど、アレンジには相当こだわったんじゃないですか?

錦戸:僕、ストリングスの音ってなんか好きなんですよね。キーボードで鳴らす音とは違うわけじゃないですか。3ピースのバンド・サウンドもカッコいいとは思うけど、3ピースの一つを僕は担えないなって思っちゃうんですよね(笑)。今だって、自分を支えてくれるバンドの人たちがしっかりしてくれてるから、自分は一生懸命歌おうって気持ちになれる。あれ(弾き語り)やった次の日に、あんだけ凄い演奏をやってくれたら、もう心強くてしょうがなかったですね。

ーストリングスの有無もそうですけど、1日目と2日目って全然別物のライブになってましたよね。

錦戸:1日目はもうライブっていうか、発表会みたいな。それぐらいの気持ちで見てもらったらなと思って、だからファンクラブ限定だったんです。僕の甘えですけど。





ーでも両日とも錦戸さんの正しい姿だなって思いましたよ。バンド・サウンドを弾き語りでやってみましたっていうものではなくて、それぞれ別物として表現してた。

錦戸:そうです。キーもいっぱい変えたりして、いろんな検証して。ライブ前の2週間ぐらいは大変でしたね。でも無観客で武道館で弾き語りを経験してみて、良かったか悪かったかっていったら絶対良かったです。もうちょっと経験を積んでやっていたら、もっと手応えを感じられていたかもしれないですけど。これが今の僕ですし、今の世の中ですし、しょうがないというか。そこでどれだけ次のモチベーションにつなげられるかが大事かなと思います。

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