神はサイコロを振らない、4人が語る「神サイらしさ」のアップデート

神はサイコロを振らない(Courtesy of Universal Music Japan)

福岡発の4人組バンド、神はサイコロを振らないのメジャー1stシングル『エーテルの正体』がリリースされた。

全4曲入りの本作は、3曲がタイアップ曲。アニメ『ワールドトリガー』2ndシーズンエンディングテーマとして書き下ろされたリード曲「未来永劫」は、大らかなビートの上でかき鳴らされるソリッドなギターサウンドや、伸びやかで情感豊かな柳田周作のボーカルが印象的。サビで挿入されるコーラスは、ライブでシンガロングするオーディエンスの姿が目に浮かぶようだ。一方「プラトニック・ラブ」は、神サイの代表曲「夜永唄」のアフターストーリー的な歌詞を歌った切ないピアノバラード。伊澤一葉がディレクションを務め、「虚無」を表現したという柳田の歌は早くも新境地を切り開いている。

4曲とも全く違うアレンジに挑戦し、卓越した演奏能力に裏打ちされた表現の振り幅を広げ続ける神サイ。しかしどこまで音楽性を拡張しようとも、「バンドの核は歌」と断言する彼ら。そのストイックなまでのこだわりと野心的な探究心について、メンバー全員に1曲ずつじっくりと聞いた。

─昨年11月にEP『文化的特異点』をリリースしてから3カ月が経ちました。その間にも新型コロナウイルスの第3波が来るなど、相変わらず予断を許さない状況が続いています。

柳田周作(Vo):予定していたフェスやライブが軒並み中止や延期になってしまい、改めてコロナウイルスの影響が大きいことを実感しました。僕ら年末のCDJに出るのが夢で、ちょうど福岡の学祭の時に出演が決まって「よっしゃ!」と思っていたのに、中止になったのは本当にショックでした。昨年春にやる予定だった『理 - kotowari -』のツアーも結局無くなってしまったんですよ。メンバーもチームもこれにはかなり落ち込んだのですが、そうも言っていられないというか。今はただ、ひたすら前向きに音楽を作っていくしかない、とにかく良い音楽を作っていこう!と、自分たちを発奮させていました。そういう思いも、今回のシングル『エーテルの正体』には込められたんじゃないかと思っています。

吉田喜一(Gt):こういう状況が長く続き、僕らがもっと変化していかなければという思いもあります。配信ライブもそうですが、お客さんとなかなか直に会える機会がない中、どうやってコミュニケーションを取っていくか? を日々チームで考えていますね。

黒川亮介(Dr):「神サイの火」を絶やさないようにするため、コロナ期間中は例えばオフシャルYouTube上で『神はサイコロを振らんばい』という企画を立ち上げ、柳田が監督と編集を手掛けたドラマシリーズを公開したり、ちょっとちょけた楽曲にまつわるセルフライナーノーツ的な連続ものの動画を公開したり、何かライブ以外のコンテンツでお客さんが喜んでくれるものはないか模索していました。



柳田:以前もそうでしたが、今後はよりセルフ・マネージメント能力が必要というか。音楽だけでなく、自分たちのマーケティングやプロモーションも積極的にやっていく力が必要になっていくのだな、と強く感じました。もはや「バンド」というよりも「会社」としての展開を考えられないと生き残っていけないというか。僕ら4人は割と柔軟に適応していけているとは思うんです。セルフ・マネージメント能力が必要なのは、ミュージシャンに限らず全員に共通していることなのかもそれないですけど。

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