LiSAアコースティックライブを考察、むき出しの「歌」とともに10周年へ

「LiVE is Smile Always ~unlasting shadow~」Photo by Viola Kam(V'z Twinkle)

LiSAがアコースティックライブ『LiVE is Smile Always ~unlasting shadow~』を2月22日、Zepp Hanedaにて開催。この模様が3月14日にStagecrowd、LINE LIVE-VIEWINGといったプラットホームにてネット配信された。この『LiVE is Smile Always ~unlasting shadow~』というライブ、本来は昨年春に全国ツアーとして実施される予定だったもので、二度にわたる開催延期を経てツアーとしての開催は中止。代わりに、新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドラインに基づいた新規公演として1公演のみ行い、後日ネット配信を通じて国内外の大勢のファンが目にすることとなった。

有観客ライブとしては、LiSAにとって実に1年以上ぶり。このコロナ禍において、昨年末に実施された配信ライブ『ONLiNE LEO-NiNE』が久しぶりの単独公演となったが、続く今回のアコースティックライブでは一体どんなステージを見せてくれるのか。また、1年以上ぶりに再会するファンを前に、彼女がどんなパフォーマンスを届けてくれるのか。始まる前から期待は尽きなかった。

筆者は3月14日の配信を通じてこのライブに触れたのだが、結果から書いてしまうと……これは会場で体感したいステージだったと言わざるを得ない。それくらいスペシャルで、エモーショナルな瞬間が凝縮された、今後のLiSAにおける大きなターニングポイントになるであろう公演だったからだ。配信を通じて本公演に触れたという方の中には、もしかしたら何度も配信を見返したという声も多いことだろう。それくらい何度でも味わいたい、見応えのあるライブだったと力説しておきたい。

【画像を見る】エモーショナルな瞬間の連続だったアコースティックライブ

配信開始時間と同時にモニターがライブ会場に切り替わると、街の喧騒や雨が降る音などが響く中、会場の暗転とともに美しいピアノの旋律が流れ出す。そのメロディに乗せてLiSAがステージに登場すると、会場は大きな拍手に包まれる。胸に手を当て、客席と向き合ったLiSAは〈雨の雫みたい 迷いながら 落ちていく〉という歌い出しが会場の環境とリンクする「ASH」でライブを開始。スローバラード調にリアレンジされた「ASH」では、原曲が持つ攻撃的なアレンジとは異なり、ピアノと歌のみというミニマムな編成で激しさ、力強さを表現。この時点で、今回のライブが特別なものになるであろうことは、観ている者すべてが実感できたことだろう。1曲歌い終えると、LiSAは久しぶりの有観客ライブに対する喜びと安心感からか、涙で顔を歪ませる。そのまま涙声で「こんばんは、LiSAです!」と最初の挨拶をすると、「みんなから拍手をもらったら感動してしまって、(ステージに)出てきてすごく緊張しながら歌わせていただきました。今日はここで歌える喜びとか大切さ、いろんなこと全部そのまんま、後ろの後ろまで、一番前から全員に届けます。ぜひ受け取ってください」と改めてこのライブに対する決意を口にした。

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