アーティストの不満を解消? Spotifyがロイヤリティについて解説する新サイトをオープン

新サイトによると、再生回数をもとに算出される上位500人のアーティストは、1730万回という月の再生回数に対して年間平均370万ドル(約4億円)のロイヤリティを得ていることになる。

その一方、CDBabyやDistrokidといった音楽ディストリビューションサービスを介してSpotifyで楽曲を配信している28万6000人の独立系DIYアーティストの月の再生回数は平均して3万5000回近く、彼らが手にする平均額は4100ドル(約45万円)だ。

さらにSpotifyは、2020年に870人のアーティストが自作の楽曲を通じて少なくとも年間100万ドル(約1億8000万円)を、1820人が50万ドル(約5400万円)を、7800人が少なくとも10万ドル(約1080万円)、1万3400人が少なくとも5万ドル(約540万円)の収入をあげたと主張する。2017年以降、こうした数値は少なく見積もっても80%伸びている。要するに、ロイヤリティは支払われているものの、ストリーミング収入だけでは生活できないアーティストも急増しているのだ。Spotifyで楽曲を配信している18万4500人のアーティストがあげる収入の総額は1000ドル(約10万円)、あるいはそれ以上だ。

ストリーミングプラットフォームのおかげでアーティストは以前よりも簡単に人々に音楽を届けられるようになっただけでなく(Spotifyには毎日6万曲が新たにアップロードされる)、Spotifyの誕生とともに音楽を現金化する能力も向上したと、Spotifyは一貫して主張している。

それでも、同社CEOのダニエル・エク氏が「100万人のクリエイターが同プラットフォームで生計を立てられるようにする」と、2018年に投資家に語ったように、アーティストが自らの作品で生活できるようになるには、まだまだ改善の余地があるとヘルマン氏は言う。

「この度、皆さまと共有することになったデータにとても励まされています。実際、1万3000人以上のアーティストがSpotifyだけで年間5万ドル(約540万円)を超える収入をあげていますが、これは音楽業界全体のおよそ20%に過ぎません」とヘルマン氏は語る。「成長率がここ4年間で2倍近く伸びたという事実は、これ以上に心強いものです。ですが、まだまだ目標には程遠いことも十分承知しています」

Translated by Shoko Natori

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