アジカン後藤×NOT WONK加藤 世代を超えたシンパシーと音楽への向き合い方

加藤から見た後藤とアジカン 「若い世代を気にかける唯一の先輩」

一そうやって動いている今のGotchを、加藤くんはどう見ているんですか? もう物心ついた頃から存在するロックバンドですよね。

加藤:そうですね。それこそ兄貴のMDの中に「N.G.S」が入ってました。

後藤:「ナンバーガール・シンドローム」が入ってた(笑)。

加藤:一昨日もリハでスタジオ入って「加藤くん金曜から行くんでしたっけ?」「そうなんだよ、Gotchと対談。そんなこと一回も考えたことなかったよなぁ」とか話してて。物心ついた時からバンドとして存在してる人、その世代でこうやって気にかけてくれてる人、自分だけじゃなくて周りの若いミュージシャンに目を向けてる人って、後藤さんだけだよなぁって正直俺は思ってます。ツアーにも誘ってくださったけど、「NANO-MUGEN」の時からそういう気持ちって変わらないんですよね?

後藤:そうだね。そういう場所を作りたいっていうのもあったし。あと若いバンドとやると、俺たちもめちゃくちゃ刺激もらうんだよ。みんな格好いいから。自分のバンドのメンバーに見せてる部分もある。「こんな凄いヤツらがいるんだよ? うかうかできないぜ?」みたいな。音楽ファンとしての俺が呼んでる部分も当然あるし。

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2020年10月、アジカン のツアー「酔杯2 ~The Song of Apple ~」に加藤がソロで出演。the chef cooks me、Jurassic Boysなど共に記念撮影。

加藤:そこにしがらみもない感じが嬉しかったです。同世代のバンドで、そういう感覚の人っているんですか? アジカンと同期くらいの人たち。

後藤:どうだろうね? 10-FEETとか、あの界隈の人たちは横で繋がってやってる感じがする。そこに細美くん(ELLEGARDEN/the HIATUS他)だったりTOSHI-LOWさん(BRAHMAN)だったりが加わることもあるし。

一パンク/ラウドのシーンって縦社会でもあって。サウンドや思想、あとは腕力の強さなんかで仲間意識やライバル意識が生まれるんだけど。でもゴッチや加藤くんが体現しているものは、もっとしなやかな感じがします。

後藤:ベタベタはしてないですからね。

一毎回がっちり肩組んで写真撮り合う仲でもない。

後藤:そう。脱いで筋肉見せ合う仲でもない。ははは!


Photo by 佐藤祐紀

一どういうところでハモっていたいですか?

加藤:僕から言うのもアレですけど、お互いの作ってる音楽に対してすごくリスペクトがあるっていうのが第一だと思っていて。

後藤:嬉しいな、それは。

加藤:それって先輩後輩で考えてるとなかなか難しいことで。僕もソロの新作聴いて「これ、むちゃくちゃ丁寧なアルバムだな」って思ったんです。それこそ音の切れ目までが見える。ローエンドの話とかも、僕の民生品のイヤホンであっても「そうっすよね!」って思うものだったし。後藤さんが気にしてたローエンドのことって、きっとこれなんだよなと思いながら今日飛行機で聴いてたんです。聴くたびに常に発見があるし、そういう人に「いい」って言ってもらえるのはすごく嬉しいし、そういう人の作ったものを「うぉっ?」と思えるのは、自分にとって喜ばしいことだなって。ちょっと偉そうですけど。

後藤:いやいや、すごくいいと思う。

加藤:でも、そういうふうに思える対象って実はすごく少なかったりするんで。

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