D.A.N.の2人が語る、自分たちの進むべき道

Coffee & Cigarettes vol.26 | 櫻木大悟+市川仁也(D.A.N.)(Photo by Mitsuru Nishimura )

音楽、文芸、映画。長年にわたって芸術の分野で表現し続ける者たち。本業も趣味も自分流のスタイルで楽しむ、そんな彼らの「大人のこだわり」にフォーカスしたRolling Stone Japanの連載。DJやVJを招いたライブ・ストリーミング企画を開催したり、延期になっていたワンマンライブを有観客で成功させたり、激動する時代の波を横目に淡々と活動するD.A.N.。そのクールなサウンドの背景に迫った。

Coffee & Cigarettes vol.26 | 櫻木大悟+市川仁也(D.A.N.)
※2020年12月25日発売 Rolling Stone Japan vol.13に掲載された記事です。

スリーピースによるミニマルなアンサンブルと、官能的かつソウルフルなヴォーカルによって唯一無二のサウンドスケープを奏でるバンド、D.A.N.。2015年7月にリリースしたデビューEPで日本のシーンに衝撃を与えた彼らは、その強靭なグルーヴを磨き上げながら作品ごとに進化を遂げてきた。メンバーのうちの2人、櫻木大悟(Gt,Vo,Syn)と市川仁也(Ba)は中学時代の同級生で、かれこれ20年近い付き合いになるという。

「今や家族よりも長く一緒にいるんじゃないかな。プレイヤーとしてももちろん尊敬しているし、そのポテンシャルを引き立てるのが自分の役目だと思っています」と照れ臭そうに櫻木が言えば、市川も「友人でもあり、家族のようでもあり……もはやよく分からない関係になってきましたね(笑)。でもアーティストとして最も一緒に演奏したいと思わせてくれるのは、今も変わらず大悟と(川上)輝(Dr)です」と返す。これといった大きな諍いもなく、お互いの才能をリスペクトし合いながら、友人としての関係も続いているのは稀有なことだろう。しかも、この日2人が吸っていたのは同じ手巻きタバコ、銘柄は「GOLDEN VIRGINIA」だった。

「手巻きは普通のタバコに比べて味が格段に美味しいんですよ。それに、巻紙を自分で選べるのが楽しい。香りの大部分は巻紙が占めていると思うし、紙の種類によって燃焼スピードも変わってくる。タバコも一種の“娯楽”なので、せっかく吸うならちゃんと楽しみたいじゃないですか。ちなみに僕はヘンプの薄い巻紙がお気に入りです」(櫻木)


Photo = Mitsuru Nishimura

「僕は、大悟が吸っているのを見て“いいな”と思って始めました(笑)。最初はマトモに巻けなくて大悟にやってもらってたんだけど、少しずつ上手くなってきたような気がしますね。紙をクルクル巻いてる時間は、個人的は結構楽しいかもしれない」(市川)

「歩きながら巻けるようになったらもう一人前だよね(笑)。それに、手巻きを吸っている人が少ないので面白がられるし、そこで一つコミュニケーションが生まれるのも手巻きのいいところかなと思っています」(櫻木)

Text = Takanori Kuroda  Photo = Mitsuru Nishimura

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE