「ゾンビランドサガ リベンジ」監督が語る、ガチンコ勝負の続篇とは?

一番大事にしていたのは熱さやパッションの部分

ーもうひとつ特徴的だと思ったのが、普通のドラマだったらコンプライアンス的に微妙な表現も、ゾンビだからということもあって、さらっと出てきても違和感がない。

境:見ている人が不快になるかどうかは意識しないといけないと思いますが、一番大事にしていたのは熱さやパッションの部分。そのキャラクターの魅力やパッションを強調できるのであれば萎縮せずにやっていこう、と。たぶん普通だったらコンプライアンス的にやらないようなことはいくつかあると思うのですが、気持ちと勢いを大事にする方を優先していましたね。

ーYouTubeでは海外ファンのリアクション動画も出ていますが、世界の誰もが知っている「ゾンビ」を題材にした今作は、ある意味グローバルな可能性がある作品なのかなと感じました。

境:どうなんでしょうね。ゾンビは世界的な共通言語でもありますけど、今作ではそもそも映画監督のロメロが最初に唱えたゾンビ三原則みたいなものはまるで無視していたり(笑)。勢いやテンポ感は海外の人にも受け入れられると思うんですが、日本のアイドル文化をどれだけ理解してくれるのかとか、そもそも佐賀を知らないだろうなとか、いろいろ心配ではあります。でもそれだけ見てくれる人がいたのはうれしかったですね。ミニマムに作っているところはミニマムなので、日本の文化に興味を持つ一端になってくれればいいなと思います。
 
ー「ゾンビランドサガ」は日本のアニメやアイドルという和製ポップカルチャーの系譜を踏まえた作品であることは間違いないですが、監督自身もいろんな映画・ドラマ・音楽からの影響を受けていたりするのかなと思ったんですが、どうでしょうか。

境:ネタは映画や漫画、バラエティ、音楽など、いろいろなものを参考にしています。スタッフに説明するときに「あれみたいな感じ」って例えるものがいちいち古いので、若いスタッフにはなかなか通じないときがあるのですが(笑)。シナリオや音楽の打ち合わせをするときは似た年代が集まっているので盛り上がるんですけど、若いスタッフに説明するときはちょっと大変ですね(笑)。

ーそれって例えば、音楽だったらなんですか?

境:なんだろうな、 尾崎豊さんとか……。

ー海外の映画やドラマからの影響を受けることもありますか?

境:もともと一番好きな映画で『バック・トゥ・ザ・フューチャー』があるので、そういうコミカルさは自然と自分の中にある気はします。あとは、どこをどう参考にしたわけではないんですが、なんとなく意識していたのはチャップリン。ちょこまかコミカルに動くテンポ感とか、そんな中でも最後はなぜか泣けちゃう感じとか。

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