米女子大生の失踪事件から25年、第一容疑者の男と父親が逮捕

クリスティン・スマートさん(Photo by FBI/AP)

米カリフォルニア州立工科大学の1年生だったクリスティン・スマートさんが行方不明になったのは1996年5月25日、キャンパス近くのパーティに行った帰りだった。現地時間13日、失踪事件に関連して、第一容疑者のポール・フローレス(44歳)が殺人罪で逮捕された。父親のルーベン・フローレス(80歳)も事後共犯で逮捕された。

サンルイスオビスポ地方検事局のダン・ドウ検事は、1996年にカリフォルニア工科大学の学生だったスマートさんの事件を「殺人」と呼び、これに関してポール・フローレス容疑者と父親のルーベンを起訴したと発表した。

ポール・フローレス容疑者はスマートさんをレイプしようとして殺害した罪で、第1級殺人で起訴された。父親は息子に協力してスマートさんの遺体を隠蔽した容疑で、殺人の事後共犯として起訴された。

「今回の起訴はひとつの大きな節目となりました」と、ドウ検事は声明を発表した。「今日、我々はクリスティンさんと遺族、そしてサンルイスオビスポ郡の住民に正義を果たす最初の1歩を踏み出したのです」

ポール・フローレス容疑者の弁護士は、進展中の事件に関するコメントは控える、とローリングストーン誌に語ったが、容疑者2人の逮捕は認めた。ルーベン・フローレス容疑者の弁護士もコメントを控えた。

スマートさん失踪の容疑者としてフローレス容疑者が浮上したのは先月のこと。当時の公式発表によれば、サンルイスオビスポ郡保安官事務局がアロヨ・グランデにあるルーベン・フローレス容疑者の自宅の家宅捜索を行い、探知犬と地中レーダーを使って敷地内を捜索した。

2020年2月には、フローレス容疑者の自宅、彼の両親の自宅、妹の自宅が警察の家宅捜索を受けた。捜索によりデジタル機器数台が押収され、2020年4月にはサンペドロにあるポール・フローレス容疑者の敷地で再度捜索が行われた。

1996年、当時19歳だったスマートさんは、パーティで知り合った同大学の学生ポール・フローレス容疑者と会ったのを最後に行方が分からなくなった。フローレス容疑者は長いこと事件の重要人物とみられており、ミュージシャンのクリス・ランバート氏が司会を務める人気の実録犯罪ポッドキャスト「Your Own Backyard」のテーマとして扱われていた。ランバート氏はこの数年、未解決であるがゆえに事件に執着するようになった。「とくに実録犯罪Podcastが大好きだったというわけではありません」とランバート氏は昨年ローリングストーン誌に語った。「でも地元の事件でしたからね。今ではもう誰も口にしなくなっているのが僕には引っかかったんです。理由が分からなかった。彼女がまだ見つかっていないのに、なぜみんな日々話題にしなくなったんだろう?と」

保安官局も以前、ランバート氏のポッドキャストが事件に新たな関心を寄せたことを高く評価した。「クリスがまとめたPodcastは非常によくできています」。イアン・パーキンソン保安官はKVEC 920AMとのインタビューでこう語っている。「事件を広めることで、情報を持っている人が名乗り出るように(説得)してくれたんです。ポッドキャストの意義は大きいと思います」

スマートさんの遺体は発見されていないものの、彼女は2002年に法的に死亡が宣告された。

【動画を見る】米史上最悪のシリアルキラーが殺害の詳細を語る

from Rolling Stone US



Translated by Akiko Kato

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