ユーミンら1970年代のアルファレコード作品を当時のディレクターと振り返る

今月2021年4月はアルファミュージック特集。当時24歳だった若手作曲家・村井邦彦さんが1969年に設立した音楽出版社アルファミュージック。その作家契約の第一号が高校生だった荒井由実さん。赤い鳥、小坂忠、細野晴臣、松任谷正隆、吉田美奈子、ガロ。色々な人たちを世に送り出し、新しい日本のポップミュージックの流れを作った会社です。1977年にはレコード会社アルファレコードも発足、そこからはサーカス、YMO、カシオペア、シーナ&ザ・ロケッツなども羽ばたいていきました。

お聞きいただいているALFA MUSIC LIVEは、村井さんが70歳を迎えた2015年に行われたライブでアルファゆかりのミュージシャンが大集結。夢の一夜を繰り広げました。タイトルの「WE BELIEVE IN MUSIC」は、アルファが設立された時のスローガン。今年の3月にこのライブの映像作品が発売されました。今月はそのライブ音源を使いながら、アルファレコードの功績を振り返っていこうという1ヶ月であります。今週と来週のゲストは、元アルファレコードのディレクター・プロデューサー、現在は株式会社シティレコードのプロデューサー有賀恒夫さん。鬼の有賀と呼ばれた伝説のディレクターです、こんばんは。

有賀恒夫(以下、有賀):こんばんは。

田家:「WE BELIEVE IN MUSIC」という曲名はスローガンだったと聞いております。

有賀:そうですね。当時からこの言葉は村井さんが大声で叫んでいたんです。どういう意味かというと、いい音楽は金に変わる、というのが根底にありまして。いい音楽は金に変わると信じて働いていましたね。

田家:経営者としてはそういうビジョンがないとやれないでしょうしね。実際、鬼の有賀と呼ばれながら働いていた頃は、こういうライブが実現する日が来る思われました?

有賀:当時はそんなことはまったく。振り返ってみると、こんなに偉大なアーティストたちを扱うことができたんだなと改めて思いましたね。

田家:それは当日現場で感じられたんですね。どの辺でご覧になっていたんですか?

有賀:僕は主に楽屋で……(笑)。

田家:なるほど(笑)。今回有賀さんにはこのライブの中で忘れられない思い出のある曲を選んでいただきました。1曲目はガロの大野真澄さんが歌っている「学生街の喫茶店」です。

Rolling Stone Japan 編集部

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