ガンズ・アンド・ローゼズ結成秘話 アクセル・ローズを巡る当事者たちの証言

ガンズ・アンド・ローゼズが誕生した瞬間

トレイシー・ガンズ:マネージャーのラズが、奴は使えないとか何とか言ってヴォーカルのマイク・ヤゴシュを首にした。だから俺はアクセルに、「L.A.ガンズでしばらくやってみないか?」と連絡を取ったんだ。彼からは「いいよ」という返事だった。それから丸々9カ月か10カ月活動して、最終的にロンドンと共演したのさ。

マーク・キャンター:L.A.ガンズがトルバドールでロンドンの前座をやった時は、見に行った。

ダフ・マッケイガン:俺もトルバドールにいた。スラッシュに連れて行かれたんだ。アクセルに出会う前から、俺は既にたくさんのライブを観ていた。俺が前に在籍していた10・ミニット・ウォーニングがシアトルでブラック・フラッグの前座をやった時は、ヘンリー・ロリンズが加入した最初のライブだった。ヘンリーは、俺が見た中で一番真剣に打ち込むヴォーカリストだった。ライブの前はドルフィンショーツ一枚でストレッチをして、誰とも会話せず、完全に集中して戦闘態勢に入っていた。L.A.ガンズのステージでアクセルを観た時も、ヘンリーと同じような集中力を感じた。でもアクセルの方がもっと狂気的だった。本物なんだ。そしてあのハイトーンだろ。アクセルのようなヴォーカリストは見たことがなかった。



トレイシー・ガンズ:マネージャーのラズが、アクセルをL.A.ガンズから解雇した。「お前とはやってられない」という感じだった。そこで俺たちは急遽マイク・ヤゴシュを呼び戻した。これがきっかけで、ハリウッド・ローズの再結成につながったと思う。

でも、アクセルと俺はその後も密に連絡を取っていたんだ。それで、また一緒に続けようということになったんだけど、メンバーをどうするかが問題だった。「イジーは今、何もしていないはずだから、声を掛けてみようか?」ということになった。

アクセルとは、「曲を作ってレコーディングして、ライブで新曲をやろうぜ」という感じで始めた。そうしているうちに、奴の名字と俺の名字を単純に足しただけの、ガンズ・アンド・ローズというバンド名のアイディアが生まれた。するとすぐにアクセルが、「それよりもガンズ・アンド・ローゼズの方がいい」とアイディアを出したんだ。俺は「いいね、グレートなバンド名だ」って感じで、全てが始まったのさ。

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※本記事は『Nöthin’ but a Good Time: The Uncensored History of the ’80s Hard Rock Explosion』からの引用で構成。
Copyright © 2021 by the authors and reprinted by permission of St. Martin’s Publishing Group.


From Rolling Stone US.

Translated by Smokva Tokyo

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