ドミコ、四方を観客で囲んだフロアライブで見せた360°のロックンロール

ドミコのライブ「Floor Live 『360°』」(Photo by 西槇太一)

ドミコが、2021年5月1日に横浜ベイホールにてライブ「Floor Live 『360°』」を開催した。

公演タイトル通り、360°を観客に囲まれた状態でのステージングとなった今回のライブ。ここでは、以下に本公演のオフィシャルレポートを掲載する。

ここはどこなんだろう? もしや別の世界? 意識が遠のきそうになり、フッと我に返る。日常の何もかもから遊離し、自分の存在自体がうやむやになってしまう感覚。とにかく、ものすごい空間だった。

5月1日の土曜日、ドミコが行った「Floor Live『360°』」。会場の横浜ベイホールでは、いつもは観客がライブを観るフロアのど真ん中にステージが造られていた。それを取り囲むようにイスが設営され、イスは通常、ステージになるところにも並べられている。この日は2回公演が組まれており、僕が観たのはその第一部である。

場内が暗転すると、まず長谷川啓太(Dr.)が現れ、ドラムセットの位置につく。次に、さかしたひかる(Vo./Gt.)が登場し、アンプを背にした場所に立つ。2人はなんと完全に真向かいになるポジショニングで、その周囲をオーディエンスがぐるりと覆っている状態。ひかるがギターを鳴らし、それをフィードバックさせた音がふくらんでいく。そこに長谷川がリズムを刻み、音が動いていく。ギターのノイズがループによって反響し、そこにまた次の音が重ねられ……ここで1曲目の「まどろまない」のギターが放たれた。


Photo by 西槇太一

反復されるドラミング、巨大な塊となったギターの音色の数々。ひかるの歌声がそこに溶けていく。空間は爆音に包まれていった。さらにパンキッシュな「びりびりしびれる」、やはりギターリフが強烈な「噛むほど苦い」と昨年のアルバム『VOO DOO?』からの曲が続く。ブルースロック? というか、ハードロック? いや、どちらとも違うが、ともかくギターの音色がすさまじい。さらに長谷川のドラミングが「問題発生です」へと導く。するとギターが、そしてひかるの声が、こちらをまた別の場所へと誘導する。ライティングはダークに、ディープに、この空間を色付けしていっている。

Rolling Stone Japan 編集部

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