2021年最初の一大センセーション、18歳のオリヴィア・ロドリゴがZ世代の新たなアイコンである理由

オリヴィア・ロドリゴ

音楽メディアThe Sign Magazineが監修し、海外のポップミュージックの「今」を伝える、音楽カルチャー誌Rolling Stone Japanの人気連載企画POP RULES THE WORLD。ここにお届けするのは、2021年3月25日発売号の誌面に掲載されたオリヴィア・ロドリゴによる大ヒット曲「drivers license」を考察した記事。果たして彼女のどこがZ世代の価値観を表象していて、なぜこの曲は空前のメガヒットとなったのか?

2021年最初の一大センセーションを巻き起こしたのは、今年2月に18歳の誕生日を迎えたばかりの新人、オリヴィア・ロドリゴのデビュー曲「drivers license」だった。

今年1月のリリース直後からストリーミングで爆発的な再生回数を叩き出し、(クリスマスソングを除く)Spotifyにおける一日のストリーミング回数の記録を二度にわたって更新。アメリカではデビュー曲が初登場1位から8週連続トップを守り続けた史上初のアーティストにもなっている。Spotifyのグローバルヒット担当者が「これほどの影響力を持った新人アーティストのデビューを過去に見たことがない」と目を丸くするのも無理はない。今や「drivers license」は完全に社会現象なのだ。

【動画を見る】オリヴィア・ロドリゴ「drivers license」ミュージックビデオ

もっとも、オリヴィアは純然たる「新人」というわけではない。2016年からディズニーチャンネルで放送されたシットコム『やりすぎ配信!ビザードバーク』、2019年にディズニープラスで配信がスタートした人気ドラマのリメイク版『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』で主演を務めるなど、いわゆる「ディズニーアイドル」としてのキャリアがある。ここで築いた人気が基盤になっているのは間違いない。

ただ、「drivers license」が同じディズニー出身であるブリトニー・スピアーズやマイリー・サイラスなどのデビュー曲を遥かに超える社会現象化したのは、何よりオリヴィア自身のソングライティング能力に拠るところが大きいだろう。オリヴィアは「世界一のテイラー・スウィフトのファン」を自認しているが、このドラマティックなパワーバラッドはテイラーが発明したリリックの手法を完全に血肉化している。

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