大久保伸隆が語る、辛さを抱えた人に寄り添う新作アルバム

ー辛い時期ですよね。大久保さんは、定期ワンマンライブ「Flight Night Party」はコロナ禍でも続けてこられたんですよね。Something ELseが解散してから15年近く、計70本以上の定期ライブを続けるのって相当な思い入れがないと難しいですよね。

アマチュア時代も路上ライブからスタートして、かなりのイベントの本数をこなしてきているので、ライブっていうのは自分の中で軸になっていて。ソロでも年5回のワンマンライブを大事にしていきたいし、10年以上続けてきて来月は73回目で。これはこれからも続けていこうと思っています。コロナ禍では中止になったりもしたんですけど、でもやることはやったほうがいいし。配信という形でも続けていく方がいいとは思っていて、いつまで続くか分からないですけど、先も見据えてやっていこうと思っています。その中でも新しい作品を作ってライブでも披露して、ある程度貯まってきたらアルバムとして形にしていきたいですね。

ーそういったライブ中心の活動の中で生まれた曲を集めたのが、今作のアルバム『Time』なんですね。今回の収録曲を選ばれた基準はあるんですか?

前作からちょっと時間が経ち過ぎちゃいましたね(笑)。新曲「未来」はアルバム用の書き下ろし曲ですけど、他の曲は単純に定期ライブでのお客さんの反応がよかった人気の曲を入れました。元々、昨年の5月頃から作っていて全10曲の収録予定だったんですけど、ソーシャルディスタンスとか換気が叫ばれる中で、レコーディングスタジオにこもって楽曲を作るわけで。そこに参加する人が新型コロナウイルスにどう考えているのか分からないし、かといって制作中止にはできない。日数を減らしてレコーディングしようということになった結果、曲数も7曲に減らすことになりました。

ーちなみにタイトル『Time』の由来はなんですか?

レコーディング期間を減らして作った中でも、今回のアルバムは僕自身では納得のいくものができたと思っているんです。でも、いろいろ振り回されつつ限られた時間の中で集中して作品を作っていく中で、時間を作るって大事なことなんだな、と改めて実感して。自分の中で、その瞬間を大事にして作品を作る意識の変化が感じられたんですよね。そこからコロナ禍の前の当たり前の生活はもしかしたら2度と戻らないんじゃないかと思っちゃったりもして。時間に対して思ったことが自分の中で意味のあるものに思えて、一曲一曲には直接関係はないけど「Time」というタイトルの言葉として残したいと思って選んだんです。

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