大久保伸隆が語る、辛さを抱えた人に寄り添う新作アルバム

ー今井さんが参加されているのは驚きです。2曲目の「ジグソーパズル」は、春先に合うような爽やかで軽やかな曲ですよね。歌詞もお互いに擦り合わせていく、対人関係の大事な要素を歌っていると思いました。

これもライブで披露してきた曲なんです。元々メロディがあって、歌詞は「ジグソーパズル」をキーワードとして広げて、恋愛の世界をちょっと描いてみようと思って。相手に寄せていくだけじゃなくて、ちょっとした優しさや気遣いも相手に合わせるということなんじゃないかな。ちょっとした意識の変化で、今まで受け入れていなかったものを受け入れることってあるんじゃないかと思ったりして。実際は自分の性格的にできないと思っても、そういうこともありかもと思える歌詞を書いてみようかなと思いました。

ー個を重んじる時代ではありますけど、恋愛観に限らず仕事、友人など全てにおいてその意識は大事ですよね。

社会で生きていく中で自分の個って大事だと思うけど、それだけで生きていくのはなかなか難しかったりするじゃないですか。社会で生きて、良い形で物事を進めるためには、何か妥協することも場合によっては大事ですよね。そういうところも意識して聴いてくれる人もいるのかなと思います。

ー続いて3曲目「光景」は、前の2曲と違って内面でのもがきを描いているテーマですね。こちらはいかがですか?

この曲もメロディが先にあったんですけど、迷ったりもがいたりするような歌詞がハマるのかなと思って。そういう歌詞の世界というのは結構書きやすいんですよね。

ーもがいたりする歌詞が書きやすいというのは、曲を作られた時のご自身の心境の影響もあるものなんですか?

そこはないかもしれないです。ただ、何気なくニュースを見ていたり、ファンの方からもらったメールや手紙を見ると、生きていく中で思うようにいかずにつまづきそうになっている人が多いと感じていて。曲を聴いて直接何かが解決するわけじゃないけど、そういう人たちが自分の状況に当てはめて泣いたり、頑張ろうと思ってくれるような歌詞を書きたいというのは前からあったんです。この曲もそういう思いから書き始めたんですよね。

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