大久保伸隆が語る、辛さを抱えた人に寄り添う新作アルバム

ー確かに今作のサウンドは全体的に明るいですよね。制作は基本的にご自身一人でやられるんですか?

ほとんどそうですね。自宅でほとんど完成させるんですけど、ストリングスについても自分で土台を作っていて。キーボードで入ってくれている人に音色とか四重奏にするところは託してます、レコーディングもプレイヤーにデモを投げて演奏してもらってますね。レコーディングの時にはそのプレイヤーの良さというのも出してほしいので、デモを聴いてもらいつつ、デモとは違うフレーズが出てきたらそれも取り入れたりするんですけどね。

ー続いて、5曲目の「帰り道」は失恋ソングに仕上がってますね。「君の隙間はそもそもなくて 僕は無理矢理に希望をねじこもうとしてただけ」というフレーズは、恋愛で失敗したことのある人にグサッと刺さるフレーズじゃないかと思いました。

この曲についてはなかなか歌詞が降りてこなくて。恋愛モノとは違うアプローチで試しにやってみようと思って取り掛かって5回くらい書き直したんですが、最終的に恋愛のテーマで落ち着きました。これも先にメロディが出てきたんですけど、切ない内容の歌詞が当てはまるんじゃないかなと思って、片想いとか主人公の設定をして作ってみたらすぐ書けました。

ー6曲目は斉藤和義さんの楽曲「歌うたいのバラッド」のカバーです。この曲もライブで度々披露されていたんですか?

実はこの曲は、もう10年以上前からワンマンライブで歌っていたんです。ソロで活動を始めた頃は洋楽邦楽問わずカバーしていたんですけど、その中でこの曲を見つけて。自分なりのバラード調でやってみたら、ワンマンライブで披露していたら好評だったんです。今回は7曲まで曲数を削ったのにも関わらず、ストリングスとピアノを中心にアレンジしたら結構いいんじゃないかなと思っていたので、このカバーはどこかでCDに入れたいと思っていたんですよ。

ー過去の作品でも村下孝蔵の「初恋」や、あみんの「待つわ」などをカバーして収録されていましたよね。

アマチュア時代からバンドでストリートライブをしていた頃からサイモンとガーファンクル、オーリアンズの「ダンス・ウィズ・ミー」とかクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングのカバーもやっていて。他のアーティストの曲を自分たちの色に染めてオリジナルのようにしたい想いは昔からあったんです。今回の「歌うたいのバラッド」も、自分なりのバラード調で表現できたらと思っていて。そういう風に、自分の色でどうやったらいい形に表現できるのかというチャレンジは好きですね。

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