斉藤和義が語る、年齢を重ねながら紡ぐ「音楽」とコロナ後の「希望」

Rolling Stone Japan vol.14掲載/Coffee & Cigarettes 28| 斉藤和義(Photo = Mitsuru Nishimura)


かつては原発事故をめぐる国の対応を、自身の楽曲の中で風刺した斉藤。「2020 DIARY」でも、コロナ禍の社会、ネット上の罵詈雑言や「正義」の押し付けに対する違和感を、ストレートに歌っている。

「苛立ちはありましたよね。まあ、初めての事態だし仕方ないなと思う部分もあるんですけど。何より、自分のツアーがどんどん延期になっていくことがすごくつらかった。そんなモヤモヤがずっと続いて、11月くらいにようやく曲として落とし込めたのが『2020 DIARY』という曲でした」

とはいえ辛辣なメッセージだけに終始するのではなく、この曲には医療従事者へのねぎらいや、コロナが明けた後の世界を見据えた「希望」の言葉も添えている。そこに斉藤のバランス感覚や優しさを感じるのだ。

「若い人の方が、変な固定観念やバイアスがかかったりしていないだろうし、柔軟に今の状況を判断できる気がするんですよね。そこに僕は希望を持っています。半分押し付けちゃって申し訳ないところもあるんだけど、今の10代の子たちが大人になって、世の中を動かしていくようになったら世の中も少しは変わるかも知れない。今ある縦社会や堅苦しい考え方が、少しでも薄まってくれたらいいなと心から期待しています」


自粛期間が明け久しぶりにバンド・メンバーと集まってレコーディングしたという「Boy」


そう言いつつも自身は「歌うたい」としての新たな表現方法を獲得するため、すでに次なる準備を進めているようだ。

「自粛期間中に、歴史についていろいろ調べるようになったんですよ。そうすると、自分の立ち位置を意識せざるを得ない。要するに、『自分はどこからやってきて、どこへ行くのか?』という根源的な問いですよね。それが今後の歌にどう反映されていくのか今は分からないけど、今後も新しいことに挑戦していきたいと思います」


斉藤和義
1993年にシングル「僕の見たビートルズはTVの中」でデビュー。 翌年リリースされた「歩いて帰ろう」で注目を集める。自らの音楽活動に加え、様々なアーティストへの楽曲提供やプロデュース等も積極的に行い、2011年には中村達也とのロックバンド、MANNISH BOYSの活動もスタートした。通算21枚目のアルバムとなる『55 STONES』は、2020年2月から開催予定だった全国ツアーが新型コロナの影響で延期となり、自粛期間中に制作されたもの。


斉藤和義『55 STONES』
スピードスターレコーズ 発売中

20枚目のオリジナルアルバム『202020』、21枚目の『55 STONES』の2枚のアルバムを
コンセプトにした全国ツアーを現在開催中。

KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2021 “202020 & 55 STONES”
https://tour.kazuyoshi-saito.com/2020/

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