「ゾンビランドサガ リベンジ」の音楽はなぜユニークなのか? 制作者が裏側を語る

「激昂サバイブ」について

ー挿入歌の話に戻すと、第4話に出てきた「激昂サバイブ」はこれまでになかったタイプのフランシュシュの曲で。

佐藤:きっと幸太郎が、前作の第2話のときに触発されて作っていた曲なんじゃないかなって勝手に想像してます(笑)。ラップ出来るのか!じゃあちょっと曲用意しとくかみたいな。



ー純子がエレクトリックギターを持つとは思いませんでしたけどね。そしてそれを破壊するっていう。第4話と第5話は音楽ものですよね

佐藤:そうですね。音楽描写がすごく細かいですよね。それこそ「激昂サバイブ」を歌っている時とか、ステージの上にレクチファイア(アンプの名称:メサ・ブギー  レクチファイア)が1セット置いてあるじゃないですか。これ実際にレコーディングで使っていたものなんですよ。それもちゃんと資料として撮影していただいてますし、さらにサビ前でエフェクターを踏む描写があったり。でもギター叩きつけても、ああいう壊れ方はせんやろとは思いましたけど(笑)。あそこまで粉々になるってどういうことだみたいな(笑)。あんな壊れ方するならたぶん、ステージの床がやばい(笑)。




「ゾンビランドサガ リベンジ」第4話より(©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会)

今福:借金が増えてしまう可能性がありますね(笑)。第4話の音楽描写への向き合いということでいうと、「激昂サバイブ」のモーションキャプチャーの現場にも垣間見ることができまして。元々、ギターの細かいストロークは画面上に反映されづらいので、歌ってる全体の立ち姿や揺れ方を優先で撮れればよいという前提だったのですが、純子役にはちゃんとギタリストの方をアサインして、しかも見事に演奏を完コピしてきてくれて。それが実際に画面でどこまで表現できるかは置いておいて、やれることは全部やっていこうというゾンビランドサガのチーム感みたいなものを感じる一幕でした。

佐藤:実際レコーディングで演奏していただいた菰口雄矢さんに、レコーディングが終わった後にその場で1曲を通して純子が演奏するであろう部分のギターのトラックを作って、そのギタートラックを実際に演奏している動画を資料用に撮影した後に、さらにモーション用のモデルのギタリストがそれを完コピしながらという2段構えでしたね。なので足の動きを含めて、動きがとても細かいんですよね。


「ゾンビランドサガ リベンジ」第4話より(©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会)

ー細かいからこそ、リアリティが増しますよね。

佐藤:音楽劇としてここまで細かく描写するのって、あまり体験したことがないので。凄いなと思います。

今福:他にも、例えば「目覚めRETURNER(Electric Returner Type“R”)」のシーンとか、オケが変わってしまうことなど、どうやったらありえるのか?というのを佐藤さんとも相談しながら、壊したギター周りのどこかからPAの方に電気が走って、そっちが故障しているというカットを追加してもらったりして、実はかなりファンタジーに見えるシーンの中でも、音楽劇として一応の辻褄合わせには気を配ったりしています。




「ゾンビランドサガ リベンジ」第4話より(©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会)

山下:ちょっと話が前後しますけど、「50と4つの忘れ物」で純子が弾き語りしてる時の運指は、俺の運指なんですよ。あらゆる資料をこっちからも出すんですけど、ギターのフォルムを正確に見たいから、実際に使用しているギターのアップの写真をくださいとか、弾いている運指を見たいので手元アップの動画をくださいってことがあって。凄いなと思いますね。

佐藤:第4話と第5話が今までで一番音楽劇してるかもしれませんね。前作の第2話に続いて細かい描写が満載って感じですね(笑)。ただ、一個あるとしたら、第4話のキャビネットのマイク、もう1本くらい追加で立ててもいいかな。

一同:(笑)

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