Adoが語る、歌い手の衝動「孤独は悪いものではない」

自分が話してきたことが歌詞に表れてる

―Adoさんの中では、どんなパーティをイメージしながら歌われました?

Ado どんなパーティ……私、パーティを経験したことがないので(笑)。パーティやクラブというよりはライブ会場の盛り上がりを想像して歌いましたね。“踊りだせ 踊りだせ”とか煽ってる歌詞も、ライブでやったら盛り上がるんだろうなって。普段私は絶対にこんなこと言わないので(笑)、もうもはや自分の中では役の台詞みたいで、すごく新たな挑戦でした。

―「台詞みたい」とおっしゃいましたが、DECO*27さんが書かれた歌詞は、Adoさんが音楽活動に向けるモチベーションそのままだと捉えることもできると思いました。Adoさんが歌い手の活動を始められた初期の頃に、プロ意識が半端な歌い手たちのライブを観て、「自分は間違ってたのかな」とネガティブな気持ちになったというお話を他のインタビューで拝見したんですけど、それでも歌で自分を愛してもらえるようひたむきに開演準備をしてきて、昨年メジャーデビューという幕を開けたAdoさんストーリーや心情が、“半端ならK.O. ふわふわしたいならどうぞ 開演準備しちゃおうか 泣いても笑っても愛してね”というラインで描かれているなと。

Ado たしかにそれはありますね。“半端ならK.O.”っていうのは……そうですね。“なんだかな…ってつまんないこともあるでしょう”とかも。自分が経験してきたことや、自分が話してきたことが歌詞に表れてるのかなと思うところはあります。

―それに対して「なんだかな」って感じるのって、裏を返すと、Adoさん自身がすごく大事にしてることがあるからだと思うんですけど。Adoさん自身は、なぜ歌で本気で戦おうとしてるのでしょう。

Ado 自分が見てきた歌い手さんたちのようになりたいというモチベーションでここまできたのかなと思います。「歌い手になって自分も輝きたい」「このAdoという名前が輝いて愛されてくれたらいいな」という夢を持っていた昔の自分のために頑張ろう、というモチベーションもありますね。

―昔は、自信がなく、劣等感強いタイプでした?

Ado それは今もそうなんですけど、昔のほうがひどかったですね。特技と言えるものがなく、大して勉強も運動もできるわけではない、本当に根暗な人間だったので。自分が誇りに思ってる部分も本当は大したことないんじゃないかと思うときもあって、それゆえに自信を喪失していったんだと思います。でもネット上で声だけで魅了してる人たちを見て、「自分は何もできないけどこれならもしかしたらできるかもしれない、というか、やってみたい」と思えてから、自分を変えたい、抜け出したいって思ったんだと思います。

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