THE SPELLBOUNDが語る、ブンブン中野とノベンバ小林にしか表現できない「領域」とは?

中野がようやく手に入れた、新たなバンドの充実感

―中野さんにとっては、バンドを組んで自分の作品を作れているという充実感や手応えが、今はたっぷりありますか?

中野 こうやって真剣に音楽制作をやれているという時点で、「ああ、求めていたことはこういう時間だったのかな」という感じがしてます。プロデュースや楽曲提供とは全然違う人との距離感や責任の持ち方で、丁寧にものを作っていくことができていて、しかも企画とかマーケティングでできている一過性のプロジェクトではなくてバンドなんだって、そういう感覚は持てていますね。

―現時点で、まだ満足し切ってないのはどういうところですか?

中野 まずはフルアルバムじゃないかな。アルバムという単位になってどういうアーティスト像が見えてくるか。10曲とか集まったときに、強度を持っているかどうか。そこにすごく関心があるし、そこができればまた次の音楽的な展開とかに対する欲求も強くなってくるんだろうなと思います。まだまだいい曲はできてきているし。僕は音楽を作っているとき、映画を見ているようにビジュアライズされていって、その空間に自分が置かれて過ごす没入感とかを大切にしてるので、アルバム単位になったときにどんな風景が描けているかというのが今、がんばらなきゃいけないことであり、大変興味があることですね。今本当に、ライブのスケジュールを切るのが大変で、そこだけが攻めあぐねちゃうなっていう感じがありますけど、まあ一つずつ確実によいことをしていって、来年以降、コロナの騒動がおさまる頃には、全力で走れるようにしておこうと思ってます。フジロックもね、実績のないバンドなのに出演させていただくことが決まって本当にありがたいし胸を借りるような気持ちなんですけど、苗場のステージにまた立てるというのは非常に感慨深いものがあるので、楽しみたいなと思っています。

―また中野さんが苗場のステージに立たれるのは、いちブンブンファンとしても本当に感慨深いです。

中野 小林くんもこれからアーティストとしてぐんと成長していくと思うので、それは僕もとても楽しみです。

小林 保留にしてた青春を取り戻したような気持ちです。本来向き合うべきだった自分の成長だったり、問題や葛藤を、折り合いをつけて飛び級してきたようで。それを再び履修してるというか(笑)。ずっとワクワクしながら体験し直してる感じですね。

中野 だからね、悔しいけど、THE NOVEMBERSも絶対に変わると思うんだよね、これで。

―悔しい、という感情が出るんですか。

中野 やっぱり僕は自分のバンドを始めたから、THE NOVEMBERSに負けたくないし。でも一方で、THE NOVEMEBERSのファンは小林くんがTHE NOVEMBERSをちゃんと続けてくれるかどうかを今すごく不安に思ってると思うんだよね。だから頑張って欲しい気持ちはもちろんあるんだけど、「いやいやこっちの音楽のほうが絶対いいぞ」とか「こっちの小林くんのほうがかっこいいじゃん」みたいなのを見せていきたいという気持ちもありますね。

<INFORMATION>

●リリース情報


5thシングル「FLOWER」
https://orcd.co/or2njnq


4thシングル「A DANCER ON THE PAINTED DESERT」
https://orcd.co/2ne6k3


3rdシングル「名前を呼んで」
https://orcd.co/evo1qnr


2ndシングル「なにもかも」
https://orcd.co/4qlg0ze


1stシングル「はじまり」
https://orcd.co/y0xl9g4


●ライブ情報

THE SPELLBOUND「THE SECOND CHAPTER」
2021年7月8日(木)東京都 LIQUIDROOM

FUJI ROCK FESTIVAL ’21出演
※8月21日(土)の出演

http://the-spellbound.com/

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