RMが語るK-POPの定義、BTSと自分自身のアイデンティティ

ーいまも活動中の韓国ヒップホップの黎明期を代表するEpik High(韓国出身の3人組ヒップホップグループ、RMに大きな影響を与えた)をはじめ、韓国には数多くの素晴らしいヒップホップアーティストがいます。昔はどのようなアーティストの作品を聴いていましたか? 現在は?

新しいものがひとつの文化に入り込んできて、そのアイデンティティが変化し、新しい場所に適応するというプロセスは常にあるものです。ご存知の通り、韓国とアメリカの音楽に影響を与える要素は異なります。たとえば、韓国はアメリカのような多民族国家ではありません。ですから、音楽にはさまざまな感受性が込められているんです。もちろん、韓国のラッパーには、アメリカとは異なる独自のリリシズムと独自の状況や苦労があって、それらをラップというプロセスに落とし込んでいます。当然ながら、は韓国人としてこうしたものに一番共感するんです。

聖書のなかに「日の下に新しきものなし」という一節があります。とくにたちのような人、いわば世界の端っこにいるような人たちは、海外から入ってきたものを変えて、自分たちのものにするにはどうしたらいいか?と考えています。韓国とアメリカのラッパーから得た刺激のバランスをとる際、はこの点について考えるんです。でもいまは、さまざまなジャンルが収束しているように感じます。


BTSのRM(2021年4月6日、韓国・ソウルにて撮影)
Photograph by Hong Jang Hyun for Rolling Stone. Fashion direction by Alex Badia. Shirt, pants, and bracelet by Fendi.

ーBTS結成当初は、ラッパーになるかアイドル——いわゆる“ポップスター”——になるかという問題が一部の人々の頭のなかにあり、あなた自身も悩んでいたそうですね。これについては、すでに楽曲のなかでも触れています。この葛藤について、もう少し詳しく教えてください。当時は、どうしてこの問題にそこまでこだわっていたのでしょうか?

子どもの頃は、散文家や詩人になるのが夢でした。そんながラップに出会ったんです。自分がやりたかったことの大半を音楽に注ぎました。それに、純粋なアーティストになる、あるいは純粋なラッパーになるという問題もありました。ですから最初の頃、BTSがポップグループとしてデビューした頃は、自分自身のアイデンティティを整理しなおして、新しいアイデンティティを取り入れるようなことをしなければならないときもありました。それに当時は、良い結果がなかなか出せなかったんです。ファンも少なかったですし。成果もイマイチでした。馬鹿にされることも何度かありました。

ですから、こうしたアイデンティティを育み、自分のものとして受け入れるには、ある程度の時間が必要でした。でも、ラップであれポップミュージックあるいはその他のジャンルであれ、それらはの想いや考えを表現し、人々に共感してもらうためのものです。結果として、こうした葛藤の多くは自ずと解決されたんです。それに、いまとデビュー当時の2013年の状況はかなり違うと思います。というのも、純粋さ、本物であること、誠実さとは何か? アーティストとは何か? ポップミュージシャンとは何か?という議論はいまも健在ですが、こうした境界線はますます意味を失ってきていますから。自分が手がけた作品が発表できる限り、それはの夢とがずっとやりたいと願っていたことの延長ととらえていいんです。

Translated by Shoko Natori

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