RMが語るK-POPの定義、BTSと自分自身のアイデンティティ

ーBTSは、アルバム『花様年華』時代に真のアイデンティティを見出した印象です。すべてがひとつにまとまり始めたのもこの頃ですね。当時を振り返ったときの感想は?

『花様年華(英題:Most Beautiful Moment in Life[人生でもっとも美しい瞬間])』というタイトルにもかかわらず、その頃はにとってもグループにとっても激動の時代でした。『2 Cool 4 Skool』(2013年)をはじめ、デビュー初期はタフなイメージというか、タフさと怒りを誇張して表現していたんです。その後、僕たちは少し肩の力を抜いて、夢を抱いている若い人たちの気持ちを表現しようとしました。これは以前よりも誠実な表現でしたし、多くの人が共感してくれることにも気づきました。

これは未経験のことでしたから、なかには混乱する人もいました。というのも、たちは以前よりも自分自身をさらけ出し、より繊細な面を見せていましたから。それまでとはかなり違うアプローチでした。ですが、それは意味のあることだと気づき、『LOVE YOURSELF』シリーズでも継続したんです。続けていくうちに、次から次へと新しい発見がありました。

ーBTSファンの多くはBTSの楽曲をK-POPととらえていないようです。あなたも「BTSはジャンルです」と言っていました。それに対する見解を聞かせてください。

とても重要な問題ですね。なぜなら、K-POPと呼ばれるジャンルは、ものすごいスピードで拡大していますから。たとえば、いわゆるK-POPグループのなかには、ヨーロッパ、インド、中国など、外国人しかいないグループもあります。韓国人メンバーがいないのに、歌っているパートを代えるなど、K-POP的なことをしているんです。BTSも急成長を遂げています。それにいまとなっては、K-POPの幅もかなり広がりました。K-POPは韓国の歌を歌う韓国人のことだと言う人がいるかもしれません。たしかにそれはK-POPです。でも「Dynamite」はどうでしょうか? たちは英語で歌っています。でも、メンバーは全員韓国人ですから、K-POPと言う人もいるでしょう。あるいは、英語だからシンプルにポップソングだと呼ぶ人もいるかもしれません。でも本当のところ、世間がたちをK-POPの一部、あるいはアウトサイダーと考えるかにはあまり興味がありません。大切なのは、僕たちが韓国人でポップソングを歌っていることです。BTSそのものがジャンルだと言った背景には、こうした理由があるんです。K-POPの定義をめぐる議論は音楽業界にとってはきわめて重要ですが、メンバーにとってはあまり意味のないものなんです。

ー芸術家としての可能性に対する考え方を改めさせてくれたアーティストは?

入り口はナズ、エミネム、黄金時代のヒップホップアーティストでした。転機となったのはドレイクですね。2009年に『So Far Gone』がリリースされた頃です。この作品には、何というか、ショックを受けましたね。ラッパーが歌を歌うなんて気持ち悪いと思っていましたから。でもその直後から、多くのヒップホップアーティストが歌いはじめたんです。ラップとメロディーのあいだに様々なジャンルのメロディーを差し込むようになりました。なので、にとってこれは大きな変化でしたね。

ーソロ曲「Intro: Persona」の“僕の影、僕は「戸惑い」と書いて呼んだ(My shadow, I wrote and called it ’hesitation’)”というラップの意味について教えてください。

躊躇あるいは慎重さともいえますが、こうしたものがリスクをおかしたり、挑戦したりするときの妨げになると思ったんです。



ーいつか孫たちがグラミー賞のパフォーマンスを観るかもしれないといってメンバーを鼓舞したそうですね。こうしたことはよく考えるのでしょうか?

僕たちが刻むすべての足跡がオンラインという誰もが観られる場所に残ると考えただけで、時折ゾクゾクします。ですから、そうですね、こうしたことが僕たちのモチベーションになっていると思います。

ー「痛みは一瞬。映画は永遠」と、ある俳優が言ってましたね。

(うなずく)。人生は短い。芸術は永遠です。

From Rolling Stone US.


【BTSメンバー個別インタビュー】

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JIMINが語る完璧主義とダンスに捧げる情熱、ARMYへの愛と感謝、BTSの未来

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Rolling Stone Japan vol.15
発行:CCCミュージックラボ株式会社
発売:カルチュア・エンタテインメント株式会社
発売日:2021年6月25日
価格:1100円(税込)
photographed in Seoul on April 6th, 2021.

Photograph by Hong Jang Hyun for Rolling Stone. Fashion direction by Alex Badia. Hair by Han Som, Mujin Choi, Lim Lee young, Lee Da Eun. Grooming by Kim Da Reum, Seo Yuri, Kim Seon Min. Styling by Kyungmin Kim, Lee Ha Jeong, Kim Hyesoo, Hong Sil, Seo Hee Ji, Kim Hyunjeong. V’s jacket; Suga’s T-shirt; Jin’s top and necklace; Jungkook’s coat; RM’s jacket and necklace; Jimin and J-Hope’s shirts and jackets by Louis Vuitton.

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Translated by Shoko Natori

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