Vが語る、BTSを支える音楽愛と発表を控えたミックステープ制作秘話

米ローリングストーン誌より、BTSのV(2021年4月6日、韓国・ソウルにて撮影) Photograph by Hong Jang Hyun for Rolling Stone. Fashion direction by Alex Badia. Coat and top by Fendi; pants by Lemaire.

「隠れメンバーだと言われたときは、実際チームから切られたと思いました」とBTSのVは語る。

BTS結成当初から、歌手、作曲家、プロデューサーとして活躍するVは、BTSの秘密兵器的存在だった。表現力に富むディープな声は、高音域を得意とする他のメンバーとは対照的であると同時に耳に心地良い。そんな彼は、直球のベッドルームR&Bに臆せず飛び込める一方、「Intro: Singularity」のようにセクシーなネオ・ソウル風の楽曲もこなす。ジャズとクラシックをこよなく愛するVは、サックス奏者としてミュージシャンの道を歩みはじめた。そんな彼が影響を受けたアーティストはサミー・デイヴィス・ジュニアからサム・クック、さらにはコールドプレイ(2月に『MTV Unplugged Presents: BTS』で披露した「Fix You」のカバーは、どうやらVの発案のようだ)など、BTS屈指の多彩さを誇る。4月の朝、黒のニュースボーイキャップをかぶり、黒のジップアップタイプのパーカーと白いマスクで登場したVは、韓国・ソウルの所属レーベルの本社の一室でオレンジジュースを飲みながら、発売を控えたミックステープ、エルヴィス・プレスリー愛、お気に入りの映画など、さまざまな話題について米ローリングストーン誌に語ってくれた。

※先月、米ローリングストーン誌がBTSが本誌の表紙を飾ったことを記念して、各メンバーをフィーチャーしたデジタルカバーストーリーを数日にわたって掲載した。日本版も「Rolling Stone Japan vol.15」発売日の6月25日へのカウントダウン企画として、完全翻訳記事を毎日掲載していく。

【動画を見る】Vの表紙撮影メイキング動画


ー昨日は、久しぶりにバラエティ番組の収録だったそうですね。いかがでしたか?

5年ぶりの出演でした。そのせいで、ものすごく緊張してガチガチになっていたんです。だから、あまりよく眠れませんでした。でも昨日は現場に到着して、いざ収録開始となると、司会者の方が本当に親切で、何かと気を使ってくださいました。おかげで、とても順調でしたよ。居心地も良かったです。今朝はこのインタビューがあるから、またしても昨夜はあまりよく眠れませんでした。

ーそれは申し訳ない!

(笑)いえいえ、いいんです。

ーミックステープのリリースに向けて奮闘中だと聞きました。リリースが遅れていることもあってかなりプレッシャーを感じていると思うのですが、進行状況はどうですか?

僕たちはBTSとして音楽制作に取り組んできましたが、それはあくまでグループとしての作業でした。ですから、ミックステープを制作するということは、アルバムに関わる全楽曲をすべて自分ひとりでこなすことなんですよね。すべての曲の作詞やメロディーづくりはもちろん、プロダクションのプロセスにも加わらなければいけません。BTSとしてアルバムをリリースするときは、こうしたプロセスがメンバーに分散されるのですが、それをひとりで背負わなければいけないのは、かなりのプレッシャーですね。なので、キツいです。でも、という人間を表現し、キム・テヒョン(Vの本名)という人間の本当のカラー、VのカラーをARMYのみんなに知ってもらえる、という良い点もあります。ですから当然、最高のチャンスですし、そのおかげでミックステープ制作はすごく楽しくて充実しています。

Translated by Shoko Natori

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