米国退役軍人省、トランスジェンダーの元軍人に性別適合手術を認める方針

LGBTQ関連のメディアモニタリングを行う非政府組織GLAADは、今回の発表を激励するコメントを発表している。GLAAD代表のサラ・ケイト・エリスは、「トランスジェンダーの退役軍人たちには当然のことながら、医療的に必要かつ命に関わる治療行為を受ける平等な権利があり、そこにはもちろん、性別適合手術も含まれます。今回の知らせはトランスジェンダーの退役軍人たちにとって、やっと訪れた勝利であり、同時にマクドノー長官と退役軍人省の最新の一歩でもあります」と、語った。

今回の決定を最終的に後押ししたものは2016年の出来事だった。VAが発表した当時の方針では「性別違和への理解、それを解消するための手術等医療技術は近年目覚ましく進歩し、そのための外科的処置は現在、医療的に必要な処置として広く認められている」ことが述べられていた。トランスジェンダー退役軍人協会に支援を受けたディー・フルチャー氏とジョー・シルバ氏という2名のトランスジェンダーの退役軍人らがVAに嘆願書を提出するという形でこうした方針が発表されたが、当時は予算の問題で実現しなかった。

マクドノー氏は、バイデン大統領にVA長官に任命された時、「私たちのVAを、女性、有色人種、LGBTQにかかわらず広く間口を構えられる組織にしていく」ことを誓った。また今年1月、バイデン大統領は、トランプ前大統領によるトランスジェンダーの人々が軍に従事することを禁止する方針を撤回している。その翌月にマクドノー長官は、トランスジェンダーの退役軍人、またはスタッフが、自身の性自認や性表現によって差別されることがないよう"組織のあらゆるサービス基盤について"再調査することを命令しており、現在も調査が続けられている。

VAのスポークスパーソンはCNNに対し、今年の夏には変更に向けて始動できるが、新たな規範の作成には数年かかる見通しだと語った。ナショナルセンター・フォー・トランスジェンダー・イコーリティによると、米軍に従事したトランスジェンダーの退役軍人は13万4000人に上り、現在従軍中のトランスジェンダーの軍人は1万5000人だという。

From:VA to Cover Gender Confirmation Surgery for Transgender Veterans

Translated by Kazuhiro Ouchi

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