サイバーセキュリティの開発者から国際指名手配犯になった奇人、ジョン・マカフィーの生涯

彼のカルテルへの執着とも呼ぶべき性質は、もはや彼を構成する要素の核になっており、4日間を共に過ごした後でもそれを理解するのは難しかった。マカフィー本人によると、数年前にベリーズに引っ越してからは、若い女を侍らせながらカルテルの活動を政府に報告していたとのことだった。実際のところ、彼は問題を抱えた若い女性に囲まれながら、隠れて過ごしていたようだ。その後、彼の隣人が、彼との口論の後死んでいるのが発見された。

ベリーズ政府はこの殺人事件についてマカフィー氏に事情を伺おうとしたが、彼は対応せず、ヴァイス誌の仲間とグアテマラへ移動したが、仲間が暗号化されていない位置情報をSNS上に投稿してしまったことにより発見された。最終的にグアテマラの拘置所でいくらか過ごすことになったが、ベリーズに戻ることはなかった。

マカフィー氏は何か悪意に満ちたような様子を見せる男だった。私が彼と面会した時、彼はフューチャー・テンスという新しい会社で、携帯電話が持ち主に対するスパイツールとなるのを防ぐためのプログラムを作る仕事をしていたようだ。今から6年前の話だが、このことはマカフィー氏をより出鱈目なものにしていた。どうしたら自分の携帯電話が自分に牙をむくのだろう。ラスベガスで行われたコンピュータ・セキュリティのオタクたちが集まる会議でマカフィー氏はデモンストレーションを行なっていた。

彼はまず、観客の誰かの電話番号になりすます方法を説明した。そして約20分の間、不正なプログラムがフラッシュライトのアプリの皮を被り、カメラアプリを起動させる様子を見せた。ステージ上でマカフィー氏のアシスタントがアプリをダウンロードすると、マカフィー氏はすぐにそのアシスタントの写真データを受け取っていた。マカフィー氏はGooglePlay上に無料でそのアプリをアップロードしてみせ、フラッシュライトと偽装されたそのアプリがダウンロードされればすぐさまその携帯電話の写真データにアクセスできるということを勝ち誇るかのように説明し、「私たちの携帯電話は今や地球上で一番素晴らしいスパイツールになってしまった」とドラマチックに語った。

Translated byby Kazuhiro Ouchi

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