90年代ベストソング50選

ブリトニー・スピアーズ、エイス・オブ・ベイスからベック、ニルヴァーナまで。90年代を彩った名曲の数々を振り返る。(※US版記事初出:2019年8月)

90年代はシングル曲のゴールドラッシュで、ラジオからは常に様々なビートの楽曲が流れていた。グランジやギャングスタ・ラップから、ダンスホールやディスコ、ライオット・ガール、MTV「トータル・リクエスト・ライヴ」(TRL)の常連だったヘソ出しルックのモール・ポップまで、あらゆるスタイルの音楽がもてはやされた。星の数ほどエレクトロニック・ミュージックの流派があり、同じく実に多くのラップのソロ・レコードが世に出た時代でもある。90年代には、どんなジャンルの音楽ファンをも魅了する音があった。

あの時代を、ひとつのランキングで総括することなどとてもできない。1994年の夏だけでも、2〜300曲の素晴らしい楽曲がある。以下のランキングには、90年代の輝かしい音楽シーンを代表する楽曲の数々が集約されている。ヒット作だけでなく隠れた名作もあり、ダンスフロア・ジャムからギターメインの楽曲、さらにカラオケのスタンダード曲まで、あらゆる作品が網羅されている。さあ、あの時代にタイムスリップしよう。

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50位 ファジー「Flashlight」(1994年)

どこからともなく現れて、やがてどこかへ消えていったボストンのポスト・グランジ。ただ1曲だけ、素晴らしい曲を残した。ほとんど意味不明だが、ひとりの少女が暗闇の中で懐中電灯の光を頼りにさまようといった内容の歌だ。全く売れなかった曲だとはいえ、MTVのオルタナティブ専門番組『129 Minutes』で観たラッキーな人もいるかもしれない。ニルヴァーナのもたらしたゴールドラッシュに続いてメジャーレーベルからリリースされたものの、「Flashlight」のように埋もれてしまっている素晴らしいポスト・グランジの楽曲は、まだまだあるだろう。「Flashlight」を超える曲はなかなか無いだろうが、探してみる価値はある。



49位 ブリトニー・スピアーズ「Sometimes」(1999年)

ブリトニーにとって2度目のヒット作。つまり彼女の最初のカムバック作品ということになる。前作「…Baby, One More Time」をヒットさせた少女が、1999年の春まで持つかどうかなど、誰も期待していなかった。ところが2ndシングルの「Sometimes」はMTVの番組「トータル・リクエスト・ライヴ」で人気に火がつき、彼女の健在ぶりをアピールすると同時に新種のポップスターの出現を予感させた。21世紀へようこそ!



48位 ザ・オフスプリング「Self Esteem」(1994年)

オレンジ・カウンティ出身のよくあるハードコアバンドがマゾヒズムを歌い、メガ・プラチナを売り上げた。“俺はアホかもしれないが、嫌な奴ではない”(I may be dumb, but I’m not a dweeb)という歌詞は、たまたま自分がアホで嫌な奴でもない限り、共感を覚えるだろう。その時は既に、自分が曲の中の主人公になっているのだ。



47位 セレナ「Fotos y Recuerdos」

テハーノの女王が、ザ・プリテンダーズ「Back on the Chain Gang」をスペイン語で焼き直した曲。彼女がこの世を去った週に、ビルボード・ラテン・チャートでトップ5に入った。



46位 シルヴァー・ジューズ「Random Rules」(1998年)

もしもホンキートンク・ラウンジなる店があるとしたら、ジュークボックスから流れる閉店を知らせる曲は、この作品になるだろう。デヴィッド・バーマンが寂れたバーのカウンターで口ずさむ感傷的な歌。


Translated by Smokva Tokyo

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