甲斐バンドの歴史と闘争、1983年から1986年までを振り返る

港からやって来た女 [Live] / 甲斐バンド

1986年6月29日に横浜市の黒澤明さんのスタジオ、黒澤フィルムスタジオで行われたシークレット・ギグの模様でした。中島みゆきさんが登場しています。武道館5日間の最終日6月27日でその2日後にここでライブをやったんです。1500名収容のところに20万通の応募があったんです。しかも、突然のライブ発表ですからね、よくこれだけの人が応募してきたなと思いました。関係者もお客さんも、全員が正装というドレスコード付きのライブだったんです。

みゆきさんはこの「港からやって来た女」で登場して、吉川晃司さんも登場しました。みゆきさんが他の人のライブのゲストに出た記憶はあまりありませんね。この後20年後、2006年に吉田拓郎さんのつま恋のライブに登場して、「永遠の嘘をついてくれ」を歌ったくらいでしょうか? みゆきさんのこの後、1986年11月にリリースしたアルバム『36.5℃』のプロデュースは甲斐さんでした。甲斐さんは水割りを手にして、次に何をやろうかというのを博多弁で話しながらライブを進めていくという、照和のライブのような感じだったんでしょうかね。そして、最後の曲は、メンバー4人がフロントに立ってこの曲を歌ったんです。

破れたハートを売り物に [Live] / 甲斐バンド

甲斐よしひろさん、松藤英男さん、田中一郎さん、大森信和さんの4人が全員マイクの前に並んで歌った最初で最後のシーンがこれでした。セッション・ミュージシャンや関係者がステージに数百本のバラを投げ入れて、メンバーがそれをお客さんに投げ返すというシーンが繰り広げられました。その後がまだあったんですよ。六本木・インクスティックというクラブで朝までパーティが行われて、脱退した長岡和弘さんが加わって「悪い噂」を演奏した。これが1986年の最後のシーンでした。

Rolling Stone Japan 編集部

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