触る、舐める、挿れる、極悪ポルノ男優の所業が長年見過ごされてきた理由|2021上半期ベスト

「人々に触り、人々から触られることで私はお金をもらっています」

痴漢行為の容疑についてコメントを求めると、ジェレミー氏はたしかに触ったことは認めたが、基本的にはそれも自分のブランドのうちだ、とも述べた。「痴漢容疑に関しては、ああ、確かに俺は触り魔さ」と、彼はローリングストーン誌に語った。「痴漢疑惑に関して言えば、たしかに私は触り魔です。つまり、触り魔として番組やイベントや撮影会に出演し、人々に触り、人々から触られることで私はお金をもらっています。私は以前ほど若くたくましくもありませんが、いまでもお客を集められます」

ジェーンさんのようなベテランの俳優なら、見本市や業界イベントで避けるべき人物を見分ける分別や知恵も持ち合わせているだろう。だがダニカ・デインさんのような人々やファンは必ずしもそうとは限らない。彼女はジェレミー氏に会った当時、撮影経験はまだ1度だけで、業界の新入りだった。

当時20歳だったデインさんは、2014年に初めてExxxoticaに参加した。ニューヨークでSM女王をやっている友人のサラ・ヴァイブスさんと一緒に、ニュージャージ州エディソンで行われた広大なコンベンションセンターでブースを見て回った。その時、ジェレミー氏がサインしている姿が目に止まった。

デインさんはすぐにジェレミー氏に気づき、2人は話し始めた。彼は彼女がアジア人のハーフみたいだと言い、彼女は彼と同じ大学に通っていたと言った。数分後、デインさんの話によれば、ジェレミー氏は2人をExxxoticaの楽屋へ招待し、無料の食事やドリンクを一緒に食べよう、と誘った。「タダでキャンディをあげるよ、と言われて車に乗り込むバカな子供みたいでした」とデインさん。「今になって思えば、もっと注意するべきだったんです」

2人が楽屋に行くと、警備員と思しき男性が1人と別の女性が1人、他にも大勢の人がいたそうだ。デインさんの話では、ジェレミー氏は一緒に何枚か写真を撮ったあと、彼女の陰部に指を挿入したという。ヴァイブスさんとデインさんは、やめてくれ、それはやりすぎだ、とジェレミー氏に言ったそうだ。「私は『こういうのはいい気がしない』と言いました」とデインさん。「すると知らないうちに、いつの間にか彼の性器が私の中に入っていたんです」

やりすぎだからやめて、と言ったあと、ヴァイブスさんはジェレミーをデインさんから引きはがしたそうだ。2人はブースへ逃げ込み、そこで友人のニナ・ハートレーさんと落ち合った。デインさんは泣き出した。「すごくショックでした」と本人。「そこまで深く考えていなかったんです」。帰宅後、彼女は性感染症のテストを受け、事件のことは頭から消そうとした。その日遅く、デインさんは高校時代の親友に事の次第を打ち明けた。その友人の他、ハートレーさんや、見本市から宿泊先のホテルへ向かうシャトルバスで話をしたジェシカ・ドレイクさんが彼女の話を裏付けている。

「彼女はめちゃめちゃ動揺していました。彼が自分を利用しようとした、と言っていました」とドレイクさんは当時を振り返る。「どうしたらいいかわからないようでした。結局、警察には通報したくない、表沙汰にはしないという結論に達しました。私も(彼女の決断を)尊重しました」

ローリングストーン誌に宛てた声明の中で、ジェレミー氏はデインさんとヴァイブスさんが、警備員や他の人々がいる「楽屋テント」についてきたことを認めたが、好ましくない身体接触が行われたことは否定した。「他の人たちがこちらを見たり、携帯電話を見たりしている間、私たちは一緒にセクシーな写真を何枚か撮りました」と彼は書いている。ポルノ制作会社Love Libraryのオーナー、チャズ・ローマ氏もその場にいたそうだが、ヴァイブスさんとデインさんは「楽しそうでけらけら笑っていました。なんであれ、同意のない行為が起きた様子は全くありませんでした」とローリングストーン誌に書いた(デインさんはこれに反論している)。

Translated by Akiko Kato

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