今市隆二が語る、混沌から生まれたR&Bの可能性、託されたEXILEのDNA

歌謡曲をテーマにつくったバラード「オヤスミのくちづけ」

ー「オヤスミのくちづけ」は、全然タイプが違うというか、歌詞の世界観もまた違う曲ですよね。

今市:「オヤスミのくちづけ」は2年前の夏につくった曲で、歌謡曲をテーマにつくったバラードです。三代目の「Eeny,meeny,miny,moe!」をつくったチームと曲をつくる中で(※作曲には今市の他、T-SK、HIROMI、BIG-Fの名前がクレジットされている)。自分のソロライブに来てくれた時に、「今市くん、歌謡曲テイストのバラードって合うよね」って話をしてくれて、そこから歌謡曲ヴァイブスの曲つくろう、ではじまった曲なんですよね。

歌詞は完全に自分のイメージというか、自分で映画つくるみたいに物語をつくって書きましたね。だから実体験じゃないんですけど、そういうストーリーが自分の頭の中にあって。なんでそのストーリーが出てきたかわかんないんですけど、けっこう前から頭にあるイメージで、いつかこういう曲をつくれたらいいなって思っていました。それで『CHAOS CITY』をつくる流れの中で、歌謡って部分では80’sに通ずる部分もあったので、今回入れさせてもらいました。やっぱりボーカリストなんでバラードも届けたいって気持ちがすごくあって。

ー作品全体でボーカリスト今市さんの懐の深さをちゃんと見せつつ、こういうテイストのバラードが『CHAOS CITY』の中に一曲入ってると、すごくいいアクセントになってるなって。

今市:そうですね。ありがとうございます。

ー今回「FUTURE LOVERS」と「Highway to the moon」のリミックス曲も入っていますよね。☆Taku TakahashiさんとNight Tempoさんが手がけてますが、人選はどのように決まったんでしょうか?

今市:シティ・ポップブームをつくった1人でもある、Night Tempoを最初に提案させてもらって。で、実際にできることになって、そうなったらもう「Highway to the moon」しかないなっていうか。ただ、今まで新譜の曲をリミックスされている人ではなかったので、やってくれるかが不安で。でもOKしてくれたので、シンプルにうれしかったです。で、Night Tempoさんがリミックスしてくれるってなったときに、じゃあ「FUTURE LOVERS」のリミックスどうしようかなって考えたら、☆Takuさん以外いないなって。もちろん音楽性もそうですけど、存在感としてもぴったりだなと思いましたね。それで連絡させてもらったんですけど、実は今回☆Takuさんとお仕事するのははじめてで。グループとしてもないんですよ。LDHとの関わりもたくさんあって、一緒にご飯食べたりしたことはあるんですけど。

で、リミックスしてもらうことが決まって、直接☆Takuさんから「今回ありがとね、どうしよっか」みたいな感じで連絡がきたんです。やりたい方向性のリファレンスは出してたんですけど、「なに伝えたい?」みたいな感じになって。で、「FUTURE LOVERS」の歌詞の、アンドロイドと人間の禁断の愛っていう世界観を改めて伝えました。「『FUTURE LOVERS』なんで絶望だけではないんですよ。ちゃんと希望感も出したくて」って補足も入れたり。それで☆Takuさんが「希望と絶望と明るさを入れました」と言葉つきで最初にリミックスをあげてくれて。「本当に絶望とか希望が入ってる!」って、あれだけ感情が揺れ動く体験がなかったので、☆Takuさんすごいなってすごく感じましたね。曲を聴いて感動することももちろんあるんですけど、リミックスであれだけ感動したことが今までなかったので、お願いできてすごくよかったです。


Photo by ティム・ギャロ

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