松本隆トリビュートアルバムを亀田誠治とともに振り返る



田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」、7月14日に発売になります、松本隆作詞活動50周年トリビュートアルバム『風街に連れてって!』を1ヶ月間にわたってご紹介します。今週と来週はアルバムのプロデューサーの亀田誠治さん。今流れているのは、この番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。前半6曲目まで紹介しましたが、曲順はいろいろ考えられたわけでしょう?

亀田:もちろんです。まあ、最高ですね(笑)。

田家:来週は後半をお聞きいただこうと思うんですけど、さっき松本さんのプロデューサーの役割というものを感じたと仰っていましたけど、改めて作詞家・松本隆のここは知ってほしいという部分はたくさんあると思うのですが。

亀田:やはり揺るぎない言葉のセンスと、その言葉のセンスに裏打ちさせている包容力ですね。ちょっとやそっとのことが変わっても大丈夫だよ、と、松本先生とスタジオで仕事していると僕は思いますね。あとはやっぱり、とにかく言葉が美しくてどんなジャンルでも対応していく。松本先生が歌詞を書くと、演歌とJ-POP、歌謡曲とロックみたいなものも融合できちゃう。やっぱりはっぴいえんど由来のものもあるんでしょうけど、松本先生のボーダーレスに超えていく包容力だと思うんですよね。そこにただただ敬服します。

田家:それでいて、プロデューサーとしてサウンドのこと、作曲のこと、スタジオの空気みたいなことも全部頭の中に入って仕事をしている。

亀田:本当に素晴らしいですね。スタジオの僕はいつもわちゃわちゃおしゃべり好きですし、松本先生みたいな品格が出せるか分からないですけど、でも大好きな先輩と一緒にこの時代を歩ませていただいていることが僕は嬉しくて仕方ないです。

田家:亀田さんはご自身で歌詞も曲も書いていらっしゃる方とも仕事をしていますけど、そういう人たちとの違いみたいなものもあるんですか?

亀田:一番大きな違いは、全責任が言葉になる。歌詞として伝わっていく、歌い回しで装飾していくことができないので、原点のコアにある部分がすごく重要で、その大切さを分かっていらっしゃる方です。

田家:全てが言葉である。来週もよろしくお願いいたします。

亀田:よろしくお願いいたします。


スタジオの様子(左から亀田誠治、田家秀樹)



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

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